「3000個すぐ売り切れそう」――拡張現実メイドさん、次は携帯電話:東京ゲームショウ2008
何もない空間をつつくと、画面のメイドさんが「きゃっ」と声をあげる。発売間近の拡張現実ソフト「電脳フィギュア ARis」が東京ゲームショウに出展されている。拡張現実の次の狙いは携帯電話だ。
手にした棒で何もない空間をつつくと、PC画面のメイドさんが「きゃっ」と声をあげる――。こんなソフトの出足が好調だ。
東京ゲームショウ2008の会場には、先日発売日が決定した、芸者東京エンターテインメントの拡張現実(Augmented Reality:AR)ソフト「電脳フィギュア ARis」が出展されており、来場者の注目を集めている。
「電脳フィギュア ARis」は同社のソフトウェアフレームワーク「GTE_AR_framework」を実装したPCソフトに、付属するプラスチック製キューブとスティック、Webカメラ(別売)を組み合わせる。カメラでキューブを撮影するとPCの画面上にメイドのキャラクター「ARis」(アリス)が現れ、スティックでキューブに触れると、画面のキャラクターも反応する。パッケージに含まれるカードをカメラに見せると、キャラクターが着替えたり、動きを止めてポーズを取ったりもする。
キューブの位置情報特定には同社の特許出願技術「電脳キューブ」が使用されており、キューブとスティックに描かれている模様をカメラが認識し、スティックの動かし方で“触れ方”が変わる。キューブとスティックの距離や角度によってカメラアングルも変化する。
7月に行われたワイヤレスジャパン2008に展示したところ大きな反響を得たため、「まだ見ぬご主人さまにはやくお仕えしたいんです」(プレスリリースより)と予定を早め、10月19日の発売が決定した。
このソフト、基本的にできることは“電脳メイドさんとのふれあい”のみ。キューブとスティックという実在するモノを通じ、現実と非現実がふれあうという、先鋭的な内容だが、反応は上々だ。10月9日の深夜に予約受付を開始したが、開始1時間ほどで100以上の注文が入った。
「電脳フィギュア ARis」のパッケージは当初3000個を用意するが、すぐに売り切れそう(同社 代表取締役CEO 田中泰生氏)という勢い。ARisの声には多数のアニメにも出演する声優のゆかなさんを起用しており「キャラクターとしてのシリーズ化もあり得る」というが、次に目指すのはキャラクタービジネスではなく、AR技術の携帯電話への投入だ。
現行携帯電話ならばほぼもれなく搭載されているカメラを利用し、提供する携帯用アプリと組み合わせることで、カメラを向けるだけで実際の世界と仮想世界をひもづける。アニメ「電脳コイル」にハマったのが開発のきっかけという、空想の産物に端を発する拡張現実技術が現実世界と電脳世界の距離を縮めるか――。
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手に持ったスティックで、画面の中の“電脳メイド”をつついて反応を楽しんだり、さまざまな角度から眺めたりできるという、夢のような(?)製品が発売される。
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