ひたすら走るだけ――なのに人体の神秘を再発見できるゲーム「QWOP」日々是遊戯

海外サイト「foddy.net」にて公開中のFLASHゲーム「QWOP」がちょっと面白い。キーボードを叩いて、100メートルを完走するだけのゲームなのだが……。

» 2009年05月25日 15時39分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

人間ってすばらしいと思えるゲーム

転んでも転んでもひたすら立ち上がるアスリートのひたむきな姿に我々も涙を禁じ得ません

 世にあまた存在する生き物の中でも、二本の足でしっかりと立って歩くことができるのは、我々人間とごく一部の動物だけ。普段は特に意識することもなく、息をするように行っている「二足歩行」ですが、実はこれってかなりスゴいことなのかもしれません。

 そんなことをあらためて実感させてくれるのが、こちらの「QWOP」というFLASHゲーム。陸上選手となって100メートルを完走するだけのシンプルなゲームですが、「なんだ簡単そうじゃん」などとはゆめゆめ思うなかれ。とにかく一度遊んでみれば、その難しさが分かるはず。

 タイトルが示しているとおり、操作には「Q」「W」「O」「P」の4キーを使用。「Q」「W」が左右の太もも、「O」「P」が左右のふくらはぎの動きをそれぞれ担当していて、これらをうまく組み合わせて押していくことで「走る」ことができる仕組みになっています。途中でバランスを崩し、上半身が地面についてしまったらアウト。

 ――と、口で説明するのは簡単なんですが、たぶん多くの人は最初の一歩を踏み出すのにさえ相当な苦労を強いられるはず。適当に押しているだけでは、もちろん前に進むなど夢のまた夢。つま先をピンと伸ばしながら、サマーソルトキックのような体制で後ろにひっくり返って後頭部からグシャリ。かと思えば今度は前のめりに倒れて顔面からグシャリ。ええと、走るってそんなに難しいことでしたっけ……。

 ようやく一歩を踏み出せるようになっても、次の一歩はもっと難しい。なぜなら、今度は後ろ足を前に出しながら、重心を前足から後ろ足へと移し替えるという作業が加わるから。両足がクロスする瞬間、どうしても体が地面からふわっと浮き上がるタイミングがあって、そこで少しでもバランスが崩れていると、体はたちまち前か後ろに倒れてしまうことになる。かといって、ひたすらゆっくり、慎重に体重を運べばいいかというとそうでもなくて、きれいに走るためには常に前のめりになりながら、倒れそうになるのを両足で交互に支えていくくらいの方がよかったり。普段は無音なのに、スピードに乗ってくると徐々にBGMがフェードインしてくる演出も絶妙で、キレイに足運びが決まった時には、ちょっと一言では言い表せないような達成感があります。ああ、走るだけなのに説明が長い……。

二足歩行って難しいんですね……

 詳しい攻略方法、走り方のコツなどについてはあえて伏せておきます。みなさんもぜひこの「走れないもどかしさ」と「走れた時のうれしさ」を味わい、人体の奇跡をあらためて発見してみてはいかがでしょうか。あと、どうしても自力でクリアできない人のために、PEROLINNさんによるクリア動画も併せて紹介しておきます。

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