1999年7月9日

ついに現れたコーエーの謎の人物

「シブサワ・コウ」の正体は?

 本日(7月9日)行われたコーエーの次世代プレイステーション用ゲーム「決戦」の発表会において,同タイトルのプロデューサー「シブサワ・コウ」氏が,報道陣の目の前に姿を現した。

 シブサワ氏は,「川中島の合戦」にはじまり,「信長の野望」「三國志」といった,8ビットPC時代からコーエーの歴代人気シミュレーションゲームを今まで約20年間も手掛けたことで知られている。

 だが同氏は,公の場にその姿を見せることは一切なく,マーク・フリントらとともに「本当は実在しない人物なのでは?」と,当時のゲーマーたちの間でウワサにもなった。

 しかし今日,「決戦」のゲーム説明のためについに,今までのコーエーの歴史をくつがえし,公の場に出てきたのだった。

 コーエーの歴史は,日本のゲーム史そのものでもある。次世代PSというウルトラ家庭ゲーム機用タイトル説明のため,シブサワ氏が素顔を見せるという現実に,ゲーム史の1つの節目を感じずにはいられなかった。

 会場にはスモークがたかれ,カラフルなスポットライトがシブサワ氏のシルエットを映し出す。

 会場が明るくなると,そこには先ほど巨大な習字を行っていた人物が……。シブサワ・コウ氏は,コーエーの取締役会長・襟川陽一氏だった。

 うすうす知っていた人も多かったとはいえ,「こんにちは,シブサワ・コウです」と,長い沈黙を破って挨拶する姿は,やっぱりカッコよかった。

 襟川会長,いや,シブサワ・コウ氏はその後,次世代PSだからこそ実現できたという「決戦」のハイクオリティなグラフィックや機能を興奮気味に説明していったのは,既報の通り。

 発表会が終わり,懇親会となると,報道陣の中からシブサワ氏にサインを求める者も登場した(写真)。やっぱり謎の人物に思い入れがある人は少なくなかったのだ。ともあれ,シブサワ氏には,今後も良質のSLG,そして新しい日本のゲーム史を創っていってほしい。

[原 毅彦,SOFTBANK GAMES]


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