現在,東京ビッグサイトにおいて,「オーディオエキスポ'99」(主催:日本オーディオ協会)が開催されている。オーディオは,かつてアナログレコードからCDに主役が移ったとき以来の変革の時代を迎えており,今回のエキスポは非常に注目度の高いイベントとなっている。明日(21日)までの開催なので,お見逃しないよう。
これからのAV業界における主役の1人は,やはりDVD。残念ながら今回のエキスポ・ソニーブースでは,DVD-Video対応が発表されたプレイステーション2を見ることはできなかったが,あらゆるマルチメディアへの取り組みをDVDから感じとることができた。
「オーディオエキスポ'99」では,数社から新フォーマット「DVD-Audio」のハードウェアが出展された。「DVD-Audio」は,再生帯域がCDの約4.4倍にもなり,その上限は100kHzにも達し,人間の耳で聴こえるエリアを遥かに上回る。ダイナミックレンジも144dBと,CD比で250倍にもなる。さらに,マルチチャンネルサラウンドにも対応するなど,さまざまな展開が期待されるフォーマットなのだ。
パイオニア,松下電器産業,日本ビクター,デンオンらのブースに登場した「DVD-Audio」の新ハードは,どれも予想以上に仕上がったモデルばかり。年末から年明けにかけて,次々リリースされる。今年のボーナスの使い道が決まってしまった……。
また,エレクトロニクスショーにも登場したパイオニアの「DVD-RW」レコーダーも参考出展されていた。録画できるディスクならではの,ランダムアクセス機能を利用した映像編集機能は魅力だ。このようにDVDは,さまざまな形で進化し,マルチメディアの主役の座に上り詰めようとしている。
……今後登場予定の新世代のゲームマシン群はDVD-ROMを搭載していくことになるはずだ。しかし,残念ながら,紹介してきたDVD-AudioやDVD-RWを利用できるゲーム機は現時点で発表されていない。しかし,さまざまな発展をとげる「DVD」を,(DVD-Videoの普及を含め)もっとメジャーな地位へと押し上げるのは,ゲームマシンだと考えられている。先陣を切ってDVDを搭載するコンシューマーゲームマシンであるプレイステーション2の動向は,AV業界にとっても注目なのだ。
DVDといえば,「オーディオエキスポ'99」のアルパインや松下などのブースでDVD-ROMの大容量を利用したカーナビも出展されており,若い世代を中心に来場者を集めていたぞ。またDVD-Videoの携帯機(これが薄くてカッコイイ)も各社で参考出展されていた。
また,ピュアオーディオの世界では,DVD-Audioと並ぶ,新世代フォーマット「スーパーオーディオCD」(SACD)も主役。既にソニーから製品がリリースされており,DVD-Audioに先手をうつカッコウとなっている。
そのソニーでは,身近な価格に抑えられた二世代目のプレイヤーが出展されていたほか,シャープやマランツなどでもSACDプレイヤーを見ることができた。パイオニアのモデルはSACDとDVD-Audioの両フォーマットを再生できる注目製品だ。
そして話題といえば,ソニーの「メモリースティックウォークマン」。メモリースティックを利用する,新しい携帯オーディオとして,PCユーザーも要チェックなのだ。
OpenMG対応アプリをインストールし,HDDにATRAC3方式で録音。OpenGM環境のPCのHDDでも再生ができるシステム。著作権保護技術「MagicGate」を搭載したスティックも本体と同時に年末登場予定だ。
ほかにもパイオニアや松下でもメモリカードを利用した新携帯オーディオ製品が展示されて人気となっていた。これらの製品は,ネットワークなどを利用した音楽配信など,さまざまな展開が期待される。
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