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シャープ、液晶新戦略を発表。40インチ液晶TVは「3000ドル」目指す2004 International CES

» 2004年01月09日 11時17分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 シャープは「2004 International CES」のプレスカンファレンスで、液晶テレビの戦略を披露。第6世代となる世界最大のグラスウェハーに対応した製造ラインと、そのラインで製造予定の大型液晶テレビを紹介した。最新の亀山工場は180×150センチという巨大なグラスウェハーに対応しており、32インチ液晶パネルを8枚も取り出すことが可能になる。

 2004年中に立ち上がるこの新しい工場の生産力を動員し、シャープは2005年までに日本国内でのテレビを、すべて液晶に置き換えると発表した。亀山工場は24インチ以上のサイズを担当しながらも、毎月10万枚以上の生産キャパシティを持つ。

発表会場に置かれていた亀山工場で採用しているものと同じサイズのガラス基板。人一人分の高さがある

 亀山工場は単にガラス基板が大きいだけではない。液晶パネルの生産工場とテレビの製造工場が一つになっているため、パネルを梱包して組み立て工場に運ぶ際のコストや故障リスクなどを避けることが可能になる。また、組み立て時に判明した品質に対する問題を素早くパネル製造の現場にフィードバックでき、品質とコストの両面でアドバンテージを築ける。エンドユーザー製品を作る側とキーコンポーネントを供給する側の垣根を取り払い、共同で良い製品を作る意識を高めるという意味もある。

 亀山工場から出荷され得る製品には、シャープブランドでは最大となる45インチモデルが含まれる。45インチモデルはフルHD(1080p)サポートで、1080i、720pなど下位フォーマットの信号をアップコンバートするイメージスケーラを内蔵。従来機に比べ、コントラスト、明るさ、応答速度などの面で優れる。1ビットアンプ採用のオーディオ部、デジタルカメラ写真やMPEG4映像を再生するためのPCカードスロット、HDMIおよびDVI端子なども備える。応答速度は16ミリ秒、1枚のガラス基板から45インチパネルを3枚取ることが可能。

新型Aquos。一番上が45インチモデル。下段中央が32インチモデルだ

 液晶テレビ業界は参入者が増え、価格下落を韓国ベンダーが牽引し、今後さらに競争が増していくと言われている。しかしシャープは「皆さんがどの製品を選ぶかが今から楽しみだ。ユーザーの選択肢が増えたことは喜ばしい。“安くて悪いもの”から“高いけど最高の品質”まであり、その中で何が選ばれるのか」と話し、品質への圧倒的な自信を滲ませた。

 また液晶テレビの本格普及が始まるだろう価格帯について、30インチクラスで2000ドル、40インチクラスで3000ドルという具体的なターゲットとなる数字を挙げた。「日本では30インチクラスが4000ドルを下回るようになり、液晶テレビの売り上げが急速に伸びた。われわれは現在、4万以上のバックオーダーを抱えている。もし40インチクラスが3000ドルになれば、一気に大量のオーダーが入ることになるだろう」

 今年後半から2005年にかけて、シャープは液晶テレビの品質だけでなく、プライスパフォーマンスでもリードしようとしているのかもしれない。

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