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結論は「やっぱり水着」? 〜あるネット放送局の場合

» 2004年01月21日 03時17分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 「やはり、ブロードバンドには水着アイドルでしょう」――。多少の回り道の後、この考えに至ったのは、ブロードバンド放送局「BBステーション」を運営するビジー・ビーだ。

 同サイトは当初、インターネットを“生活情報インフラ”ととらえ、複数タレントを起用した生活情報番組などを制作していた。しかしその後、方針を転換。現在はグラビアアイドル関連の映像を制作、配信するに至っている。

 これまでの経緯と現在の手ごたえなどを、同社の制作現場で聞いた。

Photo BBステーションの収録風景。写真は、左から小川すみれさんと、那由多遥さん(近日中に、2人のインタビューを掲載予定)

 ビジー・ビーがネット情報局「ブロードバンド メディア ステーション」(BBステーション)を開局したのは、2002年1月のこと。当時は、NECのコンシューマーPC全モデルに専用ソフトをプリインストールし、このソフトから番組を視聴してもらうという形態だった(記事参照)。

 その番組ラインアップを見ると、「生島ヒロシの手間なし健康法」「桂由美のLove×2ブライダル」などが並ぶ。このほか、速水けんたろう、柳生博といった有名タレント33名が、アドバイザとして生活情報を提供するというコンセプトだった。

 しかし、同社は2002年の12月に方針を転換する。「“カタい”サイト路線では、なかなか盛り上がりに欠ける」(BBステーションの企画制作プロデューサー、伊藤一昭氏)のが、その理由。同サイトは、グラビアアイドルが水着で登場する「那由多遥のビキニdeとーく」を中心番組にすえ、再出発を試みる。

 「そして、人気に火がついてしまった」(伊藤一昭氏)。

 同番組は、かつての生活情報番組と比べ、明らかに好評を博した。月2回の更新当日など、多い時は1日7万〜8万アクセスを集めるまでに成長。ビジー・ビーではこの結果をうけて、新たに藤川京子さんをキャスターにした「セクシー競馬塾・競馬deポン(仮称)」の提供を検討しているという。

Photo 番組では、グラビアアイドルによるツイスターゲーム(!)も行われる。「スタッフが、好きでやっている」(制作関係者)とのセリフには、妙な説得力が。正直、必見だ
Photo アイドルがトークをする後ろに見える暗室には、機材が置かれている。中は、こんな風になってます

単体ではペイしないが……

 ビジー・ビーは「ビキニdeとーく」で、ブレイク寸前のアイドルをスタジオに招くという手法をとっている。テレビ番組にレギュラー出演するようなトップアイドルでは、ギャラもスケジュールも合わないが、ブレイク前のアイドルならこの問題が解決するためだ。

 逆にいうと、インターネット放送局の魅力は、まさにそこにあるともいえる。ユーザーからすれば、露出の少ないタレントを視聴できる貴重な場。タレントにとっては、「出演後、さらに上のステージに上る」(那由多遥さんが所属する、ジェイ・アンド・シーエンターテイメントの義那和徳社長)ための場となる。「実際、イベントなどに行くと『ビキニdeとーくを見た』といってくれる関係者も多い」(義那氏)。

 もちろん、ビジー・ビー側としても、番組からなんらかの収益を上げなければならない。無料配信のコンテンツとして、すぐ思いつくのは広告モデルだが、なかなか広告だけでペイする状況ではないようだ。

 「事業としてこれだけをやるのでなく、番組を手がけることで、いろいろ仕事が広がっている」(前出の伊藤一昭氏)。

 現在、同社が期待しているのが、BBステーションに出演するアイドルなどのデジタル写真集「デジ生ステーション」だ。この種の有料課金コンテンツが、番組との相乗効果で売上に貢献してくるようなら、同社のビジネスも軌道に乗るといえる。今後はほかにも、派生コンテンツを複数展開したいとした。

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