ITmedia NEWS >

高画質化機能をそつなく搭載、低価格も魅力の「PC-MV5DX」レビュー:バッファロー「PC-MV5DX」(2/2 ページ)

» 2004年01月26日 22時27分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
前のページへ 1|2       

多くのオリジナル設定が利用できる録画機能

 録画で便利なのは録画品質のカスタム設定を複数作成可能で、予約録画でも異なるオリジナル設定を使い分けできる事。例えばDVDビデオ化を前提に、1時間、2時間、3時間をぴったり収めるための設定などを作成し、利用する事もできる。可変ビットレートの設定も平均と最大を個別に設定可能なタイプで、かなり幅広い設定が可能だ。また標準ではもっとも低いビットレート4Mbpsとなっているが、より低いビットレートでの録画もカスタム設定で利用できる。

photo カスタム設定は、プロファイル名を設定すれば複数作成できる。それほど詳細ではないが、必要十分といえる。なお、音声は64〜384Kbpsの間で設定可能だ
photo 予約録画でも作成した任意のカスタム設定を利用できる

 少々気になるのは、録画サイズが720×480/352×480ピクセルのみ、という点だろう。MPEG4系での再エンコードを前提にすると640×480ドット、低ビットレートでの録画用に352×240ドットといった設定も欲しいところ。もっとも、低ビットレートの録画には比較的強そうで、720×480ピクセル&平均2Mbps/最大4Mbpsの可変ビットレートで録画したときでも大きな破綻を感じる動画にはならなかった。

 録画品質は保証されないが、DivXなどの外部コーデックを利用したAVIフォーマットやWindows Mediaフォーマットで録画もできる。こちらは録画サイズも豊富に設定可能で、とくにWindows Mediaではかなり詳細な設定が行える。また、通常の予約録画後に自動でWindows Mediaエンコードを行う機能も備えており、この場合は2Passエンコードもサポート。この機能は予約毎に設定可能であり、たとえばPDAで視聴したい予約(番組)だけを録画後にWindows Mediaにするといった便利な使い方ができる。

photo Windows Mediaでは、3つのプリセットに加え、カスタム設定を作成して録画が可能
photo リアルタイムエンコードではなく、先にMPEGなどで録画した後に自動エンコードを実施させることもできる。この場合には2Passエンコードにも対応する
photo DivXのような外部コーデックを用いてリアルタイムエンコードも可

高コストパフォーマンス、細かな使い勝手の改善に期待

 「PC-MV5DX」は、競争の激しい価格帯に後発として投入された製品だけに、良く練られた製品だ。チューナーの画質、録画品質共に大きな破綻は感じないし、TV視聴・録画ソフト(PCastTV)の動作も軽快。操作性にも大きな不満はない。ライバル製品と比較しても出来のいい部類に入るだろう。

 ただ、細かな点でいくつか気になる部分もある。まず、録画済み番組の再生が常に最初から始まってしまう点で、これはある意味ビデオテープレコーダーより不便。ぜひ番組ごとに最終再生位置を記憶しておき、続きから再生する機能を備えてほしい。

 またWindowsのスケジューラを使用せず、PCastが常駐して予約録画を行うのだが、Windowsの起動と同時に常駐する機能がない。ここはぜひ、Windowsと同時に“最小化した状態で”起動する機能を追加してほしい。単に「スタートアップ」にPCastを登録してしまうと、Windowsの起動と同時にTV表示が行われ、不便な場合もあるからだ。

 あと、録画した番組をDivXなどに保存することの多い筆者の希望だが、録画ファイルにも番組名を反映させてほしい。「月日+時分.mpg」というファイル名なので、大体どの番組なのかは推測できるのだが、いちいち再生して確認するのはちょっと面倒だ。

 PC-MV5DXは、3つの高画質機能による“トリプル高画質”を謳っているが、同クラスの製品のほとんどが同じ機能を備えている今となっては大きなメリットにはならない。しかし、わかりやすい操作にくわえて録画に外部コーデックも利用可能など、幅広いユーザーが不満なく利用できる製品といえるだろう。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.