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プロモーションの主役はネットの時代に〜Web広告研究会

» 2004年02月12日 16時47分 公開
[RBB Today]
RBB Today

 日本広告主協会Web広告研究会は「第9回WABフォーラム」にてパネルディスカッション「キーマンが語る、ネットプロモーションの展望」を開催した。

 まず初めに、司会を務める本田技研工業の渡辺春樹氏は、今回のテーマである「ネットプロモーション」について「(インターネット上で)人を集めて物を売ること」と定義した。さらに、「いいお客さんと長くつきあいたいといった考えや、ブランドイメージへの貢献もある」とした。

 次にパネラーである電通の原野守弘氏は、2003年におけるWeb広告費の統計はまだ出ていないものの「1,000億円を超えたのではないか?」とした。その理由として「全体の件数が確実に増加しており、特に検索エンジンの広告が増えている」と挙げた。

 日本航空(JAL)の田中剛氏は「WEBは販売チャネル」として重要なプロモーションの場だとしてアピールした。と言うのも2003年度における売り上げが1,900億円になる見込みで、個人向け販売の約45%を占めるようになったためだ。

 さらに、「JALマイレージバンク」の会員は1,500万人にものぼり、これらの中には「毎日ログインする人もいる」のだという。ログイン後のページには会員それぞれの家族構成/住居地/趣味に合った特売や割引のプロモーションが表示されている。これをこまめにチェックしているのだ。これらのプロモーションの結果「ロイヤル会員はたくさんログインする」のだという。優良顧客と長くつきあうという効果が出ていると言えるだろう。

 携帯電話を用いたプロモーションの先駆けとしては、キリンビバレッジが挙げられる。同社は缶コーヒーのシールの番号をPCまたは携帯電話に打ち込んで即座に抽選結果が分かるキャンペーン「ネットでFIRE」を展開している。「コーヒーの缶に張られているシールをはがきに張って送るキャンペーンだと回収率が5%程度だったが、ネットでFIREの回収率は10%以上」だとしたのは同社の小川雅章氏だ。さらに、「12時や15時頃にアクセス数が上がるのを見ると生活時間とほぼ一致する」とのマーケティング情報も得られたとしている。このようにネットプロモーションは「はがきのキャンペーンとコストは変わらないもののマーケティングの収集にも有効」だとアピールした。

 フォーラムの最後にはWeb広告研究会の真野英明氏が登場した。ここでは「新聞掲載されたキャンペーンのうち30.9%はWeb連動」「インターネット利用者数の増加、キャンペーンのためのシステムやノウハウの蓄積によるインフラの整備」「商品キャンペーンからブランドプロモーションの手法」などの“証言”を挙げた。これを踏まえて「ネットプロモーション・新時代」を宣言し、これまでほかのメディアの脇役だったネットプロモーションが主役になったとしフォーラムを閉めた。

Web広告研究会の真野英明氏