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CD-ROMも扱えるトレカ自販機「カードガチャ」エポックから登場

» 2004年02月19日 19時09分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 カプセルが出てくるときのギミックと「ガチャリ」という感触、玩具の多様性とコレクション性、そして何が出てくるかわからない「わくわくどきどき」のギャンプル要素などなど、子どもから大人まで興味津々の「ガチャ」「ポン」的世界に、CD-ROMやボイスメッセージカードなどのデジタルコンテンツも登場する。

 2月19日にエポックから発表された「カードガチャ」は、カプセルトイ自動販売機のように、コインを投入してハンドルを回すと中に入っているカード状のアイテムが飛び出してくるもの。

 同様のカード自動販売機がすでに他社から登場しているが、エポックがカードガチャと競合製品の違いとしてアピールするのが、対応アイテムの「多様性」と扱うアイテムメーカーの「多様性」だ。

 カードガチャは、アイテムをピローケース(袋状のケース)で包装した状態で供給する。そのため扱う製品はカードに限定されることなく、63.5×89×5ミリのサイズに収まるものなら何でも自販機に収納可能。また、ピローケースで包装されているため、埃や傷がつきにくくコレクション性の高いトレーディングカードユーザーが重視する品質維持も可能になった。

 自動販売機筐体は、エポックが出荷しているカプセルトイ4フェイス自販機と同じサイズ。カードの販売価格は100円から500円まで100円単位で設定できる。1フェイスに収納できるアイテム数は50パックまで。スペック上4フェイス筐体一台で200パックを扱えることになるが、「これは最大厚5ミリで計算したもの。パックの厚さが薄ければ収納数はもっと増やせる」(エポックカード事業部統括代行 橋倉裕次氏)

カードガチャ4フェイス自動販売機筐体。カードは「缶ジュース自販機のようにホルダーに格納された状態で入っている」(エポック広報)ということなので、カプセルトイ禁断技「自販機をグーで殴って狙ったアイテムをカップイン」は使えない
カードガチャはアイテムがピローケースに入って供給されるのが特徴。広島カープの選手がセンターにきているのは、記者が広島カープファンである証

 カードガチャにアイテムを提供するのは、この事業に賛同を表明した「パートナーシップメーカー」と呼ばれる企業。今回、パートナーシップメーカーとして名乗りを挙げているのは、以下の6社となっている。

パートナーシップメーカー供給アイテム
エンターブレイン新規計画のトレカゲーム
角川書店富士見事業部新規計画のトレカゲーム
コナミデュエルモンスターズ「遊戯王」
Jリーグフォト2004Jリーグオフィシャルカード
2004サッカー日本代表オフィシャルカード
日本スポーツビジョン海外サッカーカード
ベースボールマガジンBBM2004ベースボールカード1stバージョン

 エポックからは「シルバニアファミリーミニノート」が供給されるほかに、コミックシリーズカードやコスメカード、そして具体的な内容は未定ながら、CD-ROMカードやボイスメッセージカードなどのデジタルデータコンテンツも用意する意向を明らかにしている。

 カードガチャで扱うカードのラインアップは市販されているシリーズと「ほぼ同じ」(橋倉氏)。“ほぼ”というのは「扱える単価が500円までなので、レギュラーカードは市販と同じでも、スペシャルカードなどの構成はこの価格に収まるように変更される可能性がある」(橋倉氏)

カードガチャの事業説明を行ったエポックの橋倉裕次氏(カード事業部統括代行)。橋倉氏はトレカのラインアップに「カードガチャ限定カード」が登場する可能性も示唆している

 パートナーシップ企業を代表して挨拶に登壇したコナミの永田昭彦氏(執行役員専務 トイ&ホビー事業本部長)は、遊戯王を始めとするカードゲーム事業について「現在、市場は踊り場に差し掛かっている」という考えを示し、「2004年は流通や事業展開をふくめて新しい舵を切ろうと考えている」とブランドを大きく展開するために、カードガチャなどの自販機販売などで流通販路を広げていく方針を述べている。

 「カードガチャによって自販機流通への展開が可能になったことをコナミとしては評価している。現在も、1社がカード自販機を展開しているが、カードガチャはアイテムの規格を選ばないため、低年齢層で求められる様々なアイテムに対応できるメリットは大きい。コナミのカード事業のうち10〜15%はカードガチャでカバーする予定」(永田氏)

コナミ執行役員専務 トイ&ホビー事業本部長永田昭彦氏

 現在、カード自動販売機市場は1社独占で50億円の規模と見られているが、エポックはカードガチャによって3年後には市場全体で80億円規模にまで成長させ、そのうちのシェア40%の確保を目標にしている。

 カードガチャは4月23日から設置が開始され、設置台数は1000台からスタート。3年間で累積設置台数2万台を予定している。設置場所はカプセルトイ自販機同様、量販店や書店、ゲームセンター、テーマパークなど。当初スタート時の1000台の設置エリアについては「これから商談をまとめていくので、とくに重点的に展開するエリアは決めていない」(橋倉氏)

カードガチャ利用法STEP1。コインを入れてハンドルを回すとカード排出スロットが「にゅっ」と飛び出す
カードガチャ利用法STEP2。ハンドルを回しきるとスロットが引っ込んでカードのピローケースが「ちょろっ」と顔を出す
カードガチャ利用法STEP3。ちょろっと顔を出しているピローケースを「ぐいっ」と抜き取って(意外と指先に力が必要)トレカは君のもの。展示されていた試作機ではピローケースがうまく出てこないときもあったが、フィールドテストの結果を反映させた量産品ではほとんど発生しない、とのことだった

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