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MMORPG「A3」プロデューサー陣に聞く(前編)

» 2004年02月25日 20時39分 公開
[RBB Today]
RBB Today

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、新作MMORPG「A3」のリミテッドサービスを、3月26日より開始する。A3については、人数限定、抽選、18歳以上かどうかクレジットカードで確認もとる、というハードルの高さにもかかわらず、かなりのペースで応募を集めている。

 今回、日本でA3を展開する二人のプロデューサー、小島幸博氏と鳥山主税氏にお話をうかがった。小島氏の前職は「ミュー〜奇蹟の大地〜(提供 ゲームオン)」の担当プロデューサー、鳥山主税氏はラグナロクオンラインの担当プロデューサーということで、A3では、日本のオンラインRPGにおける最強タッグが組まれた形だ。

日本における「A3」担当プロデューサーのお二人、小島幸博氏(左)と鳥山主税氏(右)

A3を日本で展開するにあたって

小島: 日本でA3をやるにあたってR-18指定をしたのは、A3の要素の中の「Attract」という部分、躍動感のある表現を大事にするためです。

 たとえば斬ると血が出たりするといったところや、ちょっとエロティックな表現もあったりするのですが、基本的には物語はすごくヘビーですし、各キャスティングキャラクターには背景があって、公式サイトでもプロローグというかたちで少しずつオープンしていってます。そういう物語を楽しんで欲しいんですね。

鳥山: (血の話つながりで、ゲーム画面で押し寄せる“ダンゴムシ”を倒しまくってみせながら)こういうふうに、やりすぎると辺り一面が血の海になりますけどね(笑)

―― もしかしてPvPでもこういうふうに血の海になるのですか?

鳥山: 血の飛び散りという表現はあるのですが、肉体がまっぷたつとか倫理的にまずい表現はありません。

エピソードについて

鳥山: エピソードについて言うと、エピソードゼロにあたるのが、キャスティングキャラクターたちの時代です。それで、プレイヤーキャラクタが活躍するのはエピソード1からになります。今、韓国ではエピソード2をサービス中で、キャスティングキャラクターがひとり増えています。これからエピソード3に進むという状況で、現在エピソード5までの構想ができています。

 エピソードの進展というのは、ワールドにいるユーザーの進み具合で変わってきます。スペシャルクエストで話がだんだん分かってくるのですが、それの進め方によってワールドごとに進み具合も変わってきます。ユーザーキャラクタのレベルが上がらなくてエピソード2に移れないワールドとか、逆にエピソード2までガンガン進んでいって、早く次を実装してくれ、とか、いろいろあると思います。

 エピソードは順を追って進んでいくことになるので、新規ワールドが追加された場合、そこではエピソード1から始まることになります。

「裏切りあり」とは??

―― 資料を見て気になっていたのですが、「裏切りあり」というのはどういうことなのでしょうか?キャラクタはそれぞれプレイヤーがやっているのですから、普通でも裏切りはあると思うのですが。何かシステム的にあるのですか?

小島: ゲームの中で「君主」になるための過程でいろいろあります。最初はパーティー規模なのですが、そのうち騎士団が作れるようになります。その騎士団同士でトーナメントをやって、一番強い騎士団を決めます。その一番強い騎士団の団長が「トール」と呼ばれる君主になります。

 トールの取り巻き(トール率いる騎士団)はネトランと呼ばれます。そして最強の8つの騎士団が、「エルタキン」と呼ばれます。政治の世界ですね。で、彼らの仲が良ければいいのですが、下のエルタキンたちも、いつか結合して謀反を起こしてやろうと考えるわけですね。戦国時代みたいなもので、取り引きしてグループ化したり、仲が悪くなって分裂したり、離合集散がおきるわけです。

鳥山: 二つの国、クァナトとテモズでそれぞれトーナメントが開かれます。勝ち上がっていった8強がエルタキン。エルタキンの中で、一番強いのがネトランというわけです。このトーナメントで勝ち上がると、単に地位が上がっていくだけでなくて、商店やエルタキンから税金が入ってきたりという国家体系もあります。

騎士団を率いてトーナメント上位を目指すには、単に強いだけでなく、人望や政治力も必要なようだ

小島: 騎士団を作るのにもけっこうレベルが必要なので、リミテッドサービス中はトーナメントのテストが一回できればいいかなという感じです。プレミアムサービス(有料サービス)に移行したあとは、本格的に騎士団トーナメントをやって競うことになりますし、さらにその先には国ごとの対決も待ってます。

鳥山: トール(君主)はエルタキンを抱き込めれば地位が安定するのですが、そこで人望を集められるかどうかは君主の力量次第ですね。「オレ強ええ」っていうだけだと、トーナメントで一回勝って次殺されておしまい、なんてこともあります。

 また、「オレ強ええ」というだけのトールがその座に居座り続けた場合、ほかの国との戦争の時に国民がついてこない、ということもあります。そうなると統一が取れずに戦争に負けてしまうことになります。負けた事による不利はもちろんあって、広い範囲で影響があるシステムになっています。

―― その不利というのは、君主の首をすげかえて団結を取り直せば挽回できるわけですか?

鳥山: もちろんです。まあ、自分が国家を鞍替えすることもできますが。

小島: 「ブルータスおまえもか」じゃないですが、裏切られる人もいるでしょうね。こういう仕組みや表現、ストーリーとか含めて、基本的に没入感が強い作品なので、全体として大人の倫理観に満ちてないと難しいですよということで、R-18にしたわけですね。(後編に続く)