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MMORPG「A3」プロデューサー陣に聞く(後編)

» 2004年02月25日 20時40分 公開
[RBB Today]
RBB Today

 MMORPG「A3」のリミテッドサービス(クローズドテスト)が3月26日より開始される。本記事は、日本でA3を展開する二人のプロデューサー、小島幸博氏と鳥山主税氏へのインタビューの後編だ。

小島幸博プロデューサー

今回のA3では高度な仮想社会の構築を目指す

小島: いままで僕らがやってきたことでもあるのですが、無料のオープンβを6ヶ月も10ヶ月もやるのは大変だろう、と。そういうビジネスを一回変えなきゃダメだと思ってたんですね。

 たとえば季節イベントなんて今当たり前じゃないですか。2月3日には節分やって、14日にはバレンタインデーやって。それ、良くも悪くもラグナロクとミューをなぞってるだけだとも言えるんですよね。僕らカレンダーひっくり返して宇宙の日まで調べたわけですよ。

 それはもういい、と。

 じゃあA3でどういう世界を目指さなければいけないかと考えたときに、高度な仮想社会をつくってみようと思ったわけです。それはどういうことかというと、世間とはちょっと離れた空間ですよね、そこに世間のイベントを持ち込んでも、A3の場合は意味がない。本当にA3を好きな人たちが集まれる場所であって欲しいんですよ。

 だから、イベントなんかも季節イベントとかではなくて、ヘルマーシュ大陸の「年表」の穴あきの部分を埋めていくような、大河ドラマの一場面のような、歴史を書き換えていくようなイベントをやれたらと考えています。

―― では運営におけるGMの役割はどうでしょう?

鳥山主税プロデューサー

鳥山: 方針として、トーナメントのガイドやサポートはやりますが、GMによるオンラインイベントというのは少なくなります。完全にサポートに回って、快適にプレイしてもらうことに注力します。今までラグナロクオンラインでやっていたような、GMの出張ったイベントというのはちょっと少なくなると思います。ヘルマーシュ大陸の歴史というのがありますから、それにそったものがメインになります。

小島: 今回は、僕らの中では高度な仮想社会を作るというのがありますから、ワールドの中に没入して欲しいんですね。その中で、自分がしたことが「あ、歴史を埋めることになったんだ」という気持ちよさを味わってもらいたいんですね。

―― イベントは仕掛けるけれども、主導はしない、と。

小島: そうですね。

 このA3は第2世代MMORPGという事で、第1世代にあった問題、クエストが足りないとかNPCがしゃべらないとか、ストーリーがないとか、全部克服してます。

 クエスト実装予定は2000本ですし、ソロで狩れる一方でパーティでも遊べる、騎士団も作れるし、国家戦争にもなります。『物語がない?』いえいえ、連載小説がありますよ、スペシャルクエストもありますよ、と。『じゃあ、シンボリックなキャラクタはいますか?』と聞かれれば、ドラマティックオンラインRPGということで、キャスティングキャラクターがいますよ、と。彼らのヘビーな生い立ちとかもゲームの中にちょこちょこっと出てきたりしますし。

 A3という空間に包まれてること自体が楽しい、というのを目指したいな、と。それが僕らのやらなきゃいけない仕事じゃないかと。

小島プロデューサーの移籍のいきさつ

小島: 僕は昨年(2003年)の11月の初旬からミューにいないんですね。それは読者のみなさんにお伝えください。

 メディアの方や紙の方に戻ることもできたのですが、やはり、新興勢力の方にいきたいな、と。あと、オンラインゲームで得た感覚をのばしていかないとだめだろうと。で、やりたいタイトル何があるかなと考えたときに、真っ先にA3が頭に浮かんだんですね。

ファンサイトはネタバレ禁止で

―― リミテッドサービスに当選してプレイし始めたプレイヤーさんたちは、ファンサイトを立ち上げたくなるかと思うのですが、こうした動きについてあらかじめ方針はおありでしょうか?

小島: 僕としてはバンバンやって欲しいという感じです。

鳥山: コミュニティはMMORPGでは大事なので、やれる範囲でどんどんやって欲しいですね。ただ、クエストのネタバレとかはちょっと。

 結局のところ、自分でストーリーを進めていくというのもA3の楽しみのひとつですので、ファンサイトで先々のストーリーとかを話されるとちょっと困りますが、それ以外はどんどんやっていただいて構いません。

小島プロデューサーが手にしているのがリミテッドサービス当選者に送られる「リミテッドサービスキット」だ

当選しなかった人にもまだチャンスが

―― では、当たった方、そして当たらなかった人に向けてのコメントをいただけますか?

小島: 当たった人は、クレジットカードをご準備ください(笑) でも、リミテッドサービスは無料ですので。最初のクレジットカード認証は、18歳以上かどうかの確認のためだけに使いますので安心してください。セキュリティもかなりごりごりやってますんで、そちらについても安心してください。

 もうひとつ、当たった人はすごく運がいいとおもいます。選ばれし者、ですんで、ぜひご参加いただければと思います。

 当たらなかった人にもチャンスはあります。まだしゃべれませんが、がんばって手に入れる方法がありますのでお楽しみに、と。

鳥山: 当たらなかった場合は、ウェブサイトとファンサイトをまわって、早くやりたいという気持ちを高めておいていただければ。

 で。当たった方・・・というよりはゲームをやる方に対してなんですが、一番最初に、とりあえずゲームに「入って」欲しいんですね。非常に歴史や世界観のしっかりしているゲームなので、まずそれを把握して欲しい。公式サイトの連載小説を読んだり、想像したりすることで、ゲームを100%、200%楽しめると思います。

―― ありがとうございました。