アクシスコミュニケーションズは2月26日、サードパーティや販売パートナー向けの説明会を開催し、同社のアンダース・トゥルビオン・ローリン社長が製品ロードマップを語った。これには、MPEG-2撮影に対応した「AXIS 230」ネットワークカメラ、新しいビデオチップを採用した「AXIS 241Q」ビデオサーバなどが含まれる。
アクシスの主要製品は、ネットワークカメラとビデオサーバを含むビデオ関連製品と、プリントサーバなどのプリンティング関連製品だ。とくにネットワークカメラの分野では、全世界で約6割のシェア(2003年)を持つ。「調査会社のデータ(IMSリサーチ)によると、ネットワークカメラとビデオサーバは、毎年約30%の成長が見込まれている。われわれは、将来もこの2つにフォーカスしていく」(ローリン社長)。
ネットワークカメラなどセキュリティ関連製品の市場規模は、全世界で約50億ドルといわれるが、ローリン社長によると「デジタル化されているのは、わずか数%」。一方、アナログ製品をリプレースする形でDVR(HDDに録画するデジタルビデオレコーダー)を使うタイプの監視カメラシステムが急成長しているが、同氏は「DVRは過渡的なソリューションに過ぎない」と指摘する。
「DVRタイプは、カメラの設置台数など制限が多い。一方、IPベースのソリューションは拡張性と信頼性に富む。DVRの市場拡大は今後数年の内にピークを過ぎ、代わってIPベースのネットワークカメラが急拡大するだろう」。
同社の強みの1つは、ネットワーク製品に使うチップセットを自社開発していることだ。IPベース、オープンスタンダードの採用を基本とし、「研究開発には、毎年収益の15〜20%を投資している。負担が大きいのは確かだが、より良い製品を開発するための“とっかかり”と考えている」。
たとえば、「ARTPEC-2」と呼ばれる新しいビデオチップは、最大600万画素のCCDやCMOSをサポート。MPEG-1/2/4フォーマットに変換し、同時に4チャンネル分を毎秒25〜30フレームでエンコード&ストリーム配信できる。
そのARTPEXC-2を初めて搭載した製品が、昨日スウェーデンで発表したばかりの4チャンネルビデオサーバ「AXIS 241Q Video Server」だ(日本では未発表)。解像度は最大768×576ピクセルまで10段階の設定が可能。4チャンネル同時に30フレーム/秒で配信するスペックを持つ。また、HTTPS(SSL)、IPアドレスによるフィルタリング、ユーザーごとのアクセス権限設定をサポートするなど、セキュリティ面も重視した。
AXIS 241Qの国内投入時期は未定だが、ローリン社長はARTPEC-2搭載の製品を順次リリースしていく方針を明らかにした。「今後は、メガピクセル対応のネットワークカメラや、最大解像度で毎秒30フレームの撮影が可能な製品など、高いパフォーマンスを持つ製品が登場することになる」(同氏)。
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