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ACCS、個人情報流出事件で約744万円の損害賠償請求

» 2004年02月27日 19時47分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の運営するWebサイトへの不正アクセス事件(関連記事)で、ACCSは業務妨害の容疑で逮捕された国立大学研究員の男性に対して損害賠償請求訴訟を起こしたことを明らかにした。

photo ACCSの久保田裕専務理事

 ACCSによると、個人情報を公開された被害者3人とともに、26日朝、東京地方裁判所に損害賠償請求訴訟を提起したという。賠償請求金額は、ACCS側が607万1000円(弁護士費用含む)、被害者一人あたり45万5400円の総額743万7200円。今後、調査の進展とともに原告が増える可能性がある。

 ACCSの久保田裕専務理事は、被害者への謝罪やサーバ管理会社への対応、事故調査委員会の設置など業務に多大な影響を受けているとしたうえで、「被告の行為は、当協会の信用を毀損し、個人のプライバシーを侵害する重大な違法行為」と指摘する。「高度情報化社会では、一度流通してしまったものは戻せない。今後、このような行為が二度となされないよう、被告に対して訴訟を提起することにした」(久保田氏)。

 被告は、昨年秋にACCSが運営している「著作権・プライバシー相談室〜ASKACCS(アスクアックス)」に侵入、約1200件の個人情報を入手した。さらに、11月8日夜には渋谷で開催されたセキュリティ関連イベントの場で不正アクセスの手法を公表したうえ、4人分の個人情報が記載されたパワーポイント資料を無線LANでダウンロードできる状態にしていたという。

 さらに今年1月28日には、パワーポイント資料が2ちゃんねるのアップローダに掲載されたことが判明した。ACCSでは、「こちらも発信者を特定し、しかるべく措置をとる」としている。

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