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Yahoo!BBで、451万人の情報流出が判明

» 2004年02月27日 20時10分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 ソフトバンクBBは2月27日、ユーザー情報の流出に伴う恐喝未遂事件で、Yahoo!BBユーザー451万7039人の情報が流出していたことを認めた。これをうけて、孫正義社長以下、関係職員を減給処分とするほか、Yahoo!BBユーザー全員に、500円相当の金券を送付する。

 警察が押収した資料と、ソフトバンクBB側のデータベースを照合したことで判明した。個人情報の流出事件としては、過去最大の規模。流出経路については、依然解明されていない。

444万件と、55万件の流出

 情報の流出は、2件ある。函館市の会社役員、湯浅輝昭容疑者(61)が持つ情報と、元ソフトバンク関連会社の派遣社員だった木全泰之容疑者(31)の持つ情報だ。

 湯浅容疑者が保持していたユーザー情報は、460万575件。このうち、444万7751件がソフトバンクBBのデータベースと一致した。また、木全容疑者が保持していた情報は56万6506件で、このうち55万6611件がデータベースと一致した。2件の重複をのぞくと、合計で451万7039件が流出したことになる。

 内訳は、現在の加入者の情報が240万3617件で、加入手続き中のユーザー情報が9834件。無料体験キャンペーン申込者が147万3774件、解約者が62万9814件だった。

 情報の内容は、住所、氏名、電話番号、申し込み時のメールアドレス、Yahoo!メールアドレスおよびYahoo!JAPAN ID、申し込み日の6項目。クレジットカード番号、銀行口座番号、パスワード、取引実績などの信用情報は含まれていないという。

今後の対応

 同社は、流出の事実が明らかになった後に、孫正義社長の直轄組織として、副社長兼COOの宮内謙氏を委員長とする調査委員会を組織している。しかし、現時点で流出経路は特定できていない。引き続き捜査当局と協力して、事態の解明にあたる方針だ。

 昨年秋の時点で、顧客情報データベースへのアクセス権限を持つ人員は135人いたが、現状この数を58人にまで絞っている。ほかに、ハッキング対策の専門会社と契約を結び、システムの安全強化を図るという。

 社内処分としては、孫社長を6カ月間50%の減給とするほか、宮内COO、筒井多圭志CTOを3カ月間、30%の減給とする。また、関係職員をけん責および減給処分に処すという。

 ユーザーに対しては、情報流出の有無に関わらず全員に、500円相当の金券などを送付する。また、情報流出が確認された対象者に、メールでの連絡を行う。メールアドレスがなくBB Phoneのみを利用するユーザーには、郵送にて連絡する予定。加えて、情報流出があったかを確認できる専用ページを開設するという。

 Yahoo!BBのメールアドレスが流出していることから、メールアドレスも無料で変更可能にする。2月27日から5月31日までの間、Yahoo!BB会員は変更ページから、何度でも無料でアドレスを変更できるようにする。

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