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NTTコム、NTT-ME、フュージョンのIP電話が接続 〜「申し訳ないが無料ではない」

» 2004年03月11日 16時33分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 NTTコミュニケーションズは3月17日から、NTT-ME、フュージョン・コミュニケーションズとVoIP基盤網の相互接続を行うと発表した。ユーザーは、新たな申し込み手続きなどは不要で、全時間一律8円/3分で通話できる。

 NTTコミュニケーションズは今年1月にも、ぷららとの相互接続を実現しており、これでいわゆる“NTTグループ”のVoIP基盤が結集されたことになる。

 相互通話が可能になるのは、フュージョンの場合が「050-5500-XXXX 〜 050-5532-XXXX」「050-8864-XXXX 〜 050-8866-XXXX」の番号を持つユーザー。NTT-MEの場合が、「050-5540-XXXX 〜 050-5549-XXXX」「050-5551-XXXX 〜 050-5554-XXXX」「050-5556-XXXX 〜 050-5569-XXXX」「050-2400-XXXX 〜 050-2408-XXXX」の番号を持つユーザーとなる。

 なお、050-5550-XXXX、および050-5555-XXXXの番号を持つユーザーは、当面は相互接続の対象外となる。NTT-MEの担当者によれば、「NTT-MEでは従来、H.323ベースのIP電話サービスを提供していたが、その後SIPベースのサービスに移行した。今回、相互接続できたのはSIPベースの方。H.323は、対応が間に合わなかった」。

やはり「3分8円」

 NTTコミュニケーションズでは以前から、フュージョン・コミュニケーションズ、NTT-MEと相互接続の交渉を行っていると話していた(記事参照)。しかし、その際通話料を無料にするのでなく、有料になるのでは……とも話していた(記事参照)。

 ふたを開けてみれば、やはり3分8円の従量課金となった。これは、各社のインフラを直接つなぐのでなく、いったんPSTNを経由するという接続方式を採用したことに由来している。3月11日、都内で開催された「VoIPインパクトセミナー」に出席したNTTコミュニケーションズのブロードバンドIP事業部、マーケティング部長の高瀬哲也氏は、このあたりの事情を説明した。

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 高瀬氏は、相互接続の形態を「ちょっとまどろっこしい」と評する。

 「3分8円のお金がかかる、有料になるということには、いろいろとご指摘を頂くことはある」として、ユーザーの望みが“無料接続”にあることを理解していると話す。

 にもかかわらず、こうした接続形態をとる理由は、やはり各端末の互換性が確保できないため。高瀬氏は、「フュージョンは50種類、弊社も40種類のSIP端末がある。40対50の相互接続性を確認し、きれいに通信できるようにするのはハードルが高い」。

 PSTNを介して、ワンクッションおいて接続すれば「早くて簡単につながってしまう」ことから、この方法を選択したと説明する。

 「申し訳ないが、こういう方法をとらせてもらう」。高瀬氏は、そうコメントした。

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