「D-VR1」は、“DVDレコーダー御三家”の一角である東芝のVHS一体型DVDレコーダーだ。ベースとなったのはDVDレコーダー「D-R1」で、これにVHSレコーダーを一体化した製品といえる。S-VHSの簡易再生をサポートや、地上波ダブルチューナーによる2番組同時録画など、VHS一体型DVDレコーダーの特徴となる機能は、しっかり抑えている。
まず、DVDレコーダー部は、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAMの3メディアに対応している。ただし、DVD-RWへの録画はDVDビデオフォーマットのみで、コピーワンス番組などの録画はDVD-RAMのみとなる点には注意(DVD-RWでVRフォーマットで録画されたメディアも再生は可能)。DVD-RAMは、扱いやすいカートリッジタイプもサポートしている。
D-VR1は、良い意味で2台分の機能をまとめた印象を受ける。本体の操作系は完全にシンメトリーになっており、レイアウトやデザインが統一された操作ボタンがVHS部とDVD部で個別に配置され、中央部のディスプレイも左半分がVHS、右半分がDVD用とそれぞれ表示される。本体部での操作がどれだけ必要かという点には疑問も残るが、少なくとも本体での操作ミスは起きにくいだろう。
これに対して、“ちょっと残念かな?”と思えるのが、本体操作ではテレビへの出力を切り替えられない点だ。たとえば、VHSを表示中に、DVDメディアをセットして再生しようとしたとき。再生ボタンを押すところまでは本体操作で行えるのだが、テレビ画面にDVDを表示させるにはリモコン操作がいるのだ。
リモコンは、RDシリーズでお馴染みのDVDレコーダー用をベースにしたもの。VHSとDVD、それぞれの操作に同じボタンを利用するため、DVD専用のボタンはオレンジ、またVHSでも利用できるボタンは黒で表記し、色の違いで混乱を防いでいる。
リモコン操作の切り換えは側面のスライドスイッチなので、どちらがリモコンでの操作対象になのかはすぐわかる。ただし、画面表示の切り換えは別のため、誤操作には注意が必要だ。この点はビクター「DR-MV1」とは対照的で、操作の自由度の高さとのトレードオフになっているといえるだろう。
予約録画は充実している。DVD部は最大32番組/2カ月、VHS部は最大16番組/1カ月と設定可能な件数は多い。VHS部では最近の録画予約最大20件を記憶しており、これを呼出して予約録画を設定することも可能だ。Gコードでの予約はリモコン側に液晶ディスプレイがあり、手元で入力して本体に向けて転送と使いやすい。
DVD部は、深夜番組の予約で「25時」「26時」といった形式で入力できるのが便利だ。30時59分までは、翌日の早朝の時間に自動変換してくれる。実際、放映時間はこのように表記されることも珍しくない。また、予約情報を残したまま一時的に録画をON/OFFすることもできるため、毎週録画に設定しているものの、今週は番組が休止といった場合にも対応できる。
なお、DVD部は予約録画用にスタンバイさせるという概念がなく、録画可能なメディアさえセットされていれば、予約録画が実行される。この点は、上書き録画が発生しないDVDのメリットを生かしているといえるだろう。
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