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kmタクシー、デジタル無線とGPSを利用した新サービス

» 2004年03月18日 23時50分 公開
[ITmedia]

 タクシー業界最大手の国際自動車(kmタクシー)は、デジタル無線とGPSを利用した新サービス「My Taxi」を発表した。タクシーの現在位置を把握し、乗客の要望に合ったドライバーの手配や配車の迅速化を可能にするという。情報システムの高度化をCS(顧客満足度)の向上につなげ、不況

photo デジタル無線とGPSのシステムを搭載したタクシー

 タクシー業界では、コントロールセンターとの連絡にアナログ無線が使われてきたが、都市部における周波数の逼迫やデータ伝送に対するニーズからデジタル化が求められている。デジタル無線では、伝送効率が従来の約4倍となり、また車両の位置情報、運行情報、料金課金情報などのデータを同時に伝送可能だ。

 「従来のアナログ無線では、音声で車両を探すしか方法がなかった。しかし、電波状況によっては近くにいる車両が応答できなかったり、逆に遠い場所にいる車両が応答して到着までに時間がかかるケースも多かった」(国際自動車の波多野康二社長)。

 デジタル無線では、GPSによってタクシーの現在位置をセンター側が常時把握しているため、もっとも近くにいるタクシーを検索・手配する。試験運用では、配車までにかかる時間が従来の5分の1にまで短縮できたという。

photo 国際自動車の波多野康二社長

 また、利用者は依頼時にドライバーや車のサイズなどを指定することができる。「海外のお客様を迎える際は外国語の話せるドライバー、あるいは女性が深夜に帰宅するときに女性ドライバーにお願いしたいといったケースが考えられるだろう」。

 一方、ドライバーは、ディスプレイに表示される文字や音声読み上げ機能を通じて、乗客を乗せる前に顧客情報を得る。たとえば、“車椅子の乗降介助が必要”“玄関でドアコール”といった要望を到着前に把握し、サービスに役立てることができるという。

photo システム図(クリックで拡大)

 国際自動車では、2003年11月19日にデジタル無線の許可を受け、既存のCTIシステムなどとの統合を進めてきた。既に同社および提携会社が所有する2000台のタクシーにGPSとデジタル無線システムを搭載済み。18日から本格的にサービスを開始する。波多野社長は、「乗客の目的や嗜好に応じたタクシーを迅速に提供することで、乗客から見て、“タクシーを自分専属のドライバー付きマイカー”のように利用できるサービスを目指したい」と話している。

 なお、「My Taxi」サービスを利用するためには、氏名、電話番号、希望の送り迎え先(2カ所まで)などを登録した会員カード「km My Taxiカード」を入手する必要がある。初期費用、年会費などは不要。登録は、電話もしくはメールで受け付けている。

photo 赤坂の神社で行われた出車式の様子。雨天のため、室内から外のタクシーに向けて御祓い
photo テープカット風景
photo いってらっしゃい

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