4月から、固定電話から携帯電話に電話をかける(固定→携帯)場合に、「00XY」(XYは特定の数字)を相手先番号の前に付けることで、割安に通話できるサービスが始まる。
これは、昨年6月に公表された総務省の「固定電話発携帯電話着の料金設定に関する方針」に従い、携帯キャリアでなく中継接続を手がける事業者に、料金設定権が認められたことに伴うもの(解説記事参照)。ユーザーは、00XYという事業者識別番号を付けることで、その事業者が設定した通話料で電話をかけられる。
現段階では、同サービスを手がけると見られながら、まだ具体的な料金を発表していない事業者もあり、完全に情報が出揃ったわけではない。ただ、いくつかの事業者が公表した料金を見ると、一部には「IP電話発携帯着」の場合をも下回るようなアグレッシブな料金設定すら見られ、非常に興味深い状況となっている。各社の料金を、比較してみよう。
というわけで、表1に示したのが各社の固定→携帯通話料金だ。ユーザーが加入する通話プランにもよるため、従来料金の部分は概数だが、場合によっては半額以下になることが分かる。
表1 固定→携帯の料金(平日昼間3分間)
― | ドコモ | au | ボーダフォン | ツーカー | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
何も付けない場合 | 70 | 90 | 120 | 120 | いずれも課金は10円単位 |
NTT東西(0036/0039) | 54 | 57 | 63 | 63 | 60秒単位 |
NTTコミュニケーションズ(0033) | 54 | 54 | 54 | 54 | 60秒単位 |
パワードコム(0081) | 57 | 57 | 57 | 57 | 60秒単位、関東限定 |
日本テレコム(0088) | 60 | 66 | 66 | 66 | 60秒単位 |
日本テレコム(選択料金) | 70 | 80 | 80 | 80 | 10円単位、要申込 |
C&W IDC(0061) | 57 | 57 | 57 | 57 | 60秒単位、要申込 |
フュージョン・コミュニケーションズ(0038) | 57 | 57 | 57 | 57 | 60秒単位、用申込 |
平成電電(0084-7) | 60 | 60 | 60 | 60 | 30秒単位、要申込 |
中でも注目は、NTTコミュニケーションズが1分18円(3分54円)と最安値を打ち出してきたことだ。
昨年7月に、NTTドコモが事業者向けの接続料として「36秒10円」という料金水準を明らかにしており(ドコモのリリース参照)、中継事業者が1分20円(3分60円)未満の料金設定を行うと、場合によっては逆ザヤが発生する(下表参照)。だが、この逆ザヤのおそれがある領域に踏み込んできた事業者の中でも(ほかに、NTT東西、パワードコム、ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC、フュージョン・コミュニケーションズ)、NTTコミュニケーションズは最も安い値段。正直、これには驚かされた。
ドコモ以外にかける場合でも、NTTコミュニケーションズの優位は変わらない。
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