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スカパー!110、6月にもハイビジョン放送を開始

» 2004年03月22日 22時44分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 スカパー!は、CS110度デジタル放送「スカパー!110」(旧称:スカパー!2)の一部チャンネルをHDTV化することを明らかにした。映画専門チャンネル「スター・チャンネル」を皮切りに、来年度中に3〜4チャンネルをHDTV化する方針。3月22日に行われた、マザーズから東証第一部への市場変更記者会見の中で、同社の重村一社長が語った。

photo 東証一部上場を記念して

 重村氏によると、6月の電波管理審議会後を目途に、まず映画専門チャンネル「スター・チャンネル」をHD化する計画だという。スター・チャンネルは、既にBSデジタルでプログレッシブ(480p)&5.1chサラウンド放送を提供しているが、780pもしくは1080iのHD画質になるのは初めて。

 また、そのほかにも複数のコンテンツホルダーと交渉を進めており、「HD化の要望は非常に多い」(同氏)という。これは、米国で720pの地上デジタル放送が開始され、HD画質の映像素材が増えてきたためだ。

 110度CSのHDTV化には、同社のプロモーション上の都合も影響している。3波共用チューナーの登場で多くの人が対応チューナーを所有するようになった反面、124/128度CSと重複したチャンネルの多いスカパー!110は、「CS124/128度の“コピー”のような側面があった」(重村氏)。そのイメージを払拭し、「一般視聴者に対して(CS110度ならではの)ソフトの見方を示さなければならない」。124/128度CSのスカパー!は、今まで通り“専門性の高い多チャンネル放送”路線を推し進め、CS110度ではチャンネル数は限られるものの“高画質”を売りにしていきたい考えだ。

 なお、HD化に伴い、スカパー!110でもBSデジタル放送や地上デジタル放送と同様の著作権保護技術(CPRM)が導入される可能性が高い。同社広報では、“一般論”と前置きした上で、「CS110度放送も“時代の流れ”に沿った形で推移するだろう」と話していた。

FTTH放送、現在3棟のマンションに提供中

 一方、NTT地域会社と共同で進めているFTTH放送に関しては、東京23区内にある3つのマンションで提供を開始したことが明らかにされた。最初の導入事例となった中央区の既築マンションに続き、目黒区、渋谷区のマンションでサービスを開始。今後は、有線ブロードネットワークスとの協業も始まり、導入ペースは徐々に上がっていく見込みだ。

 オプティキャストの仁藤雅夫社長は、「来年度は東京23区だけを対象としているが、大阪などでも需要は大きい。今後1年間の実績をみながら、どのように拡大するかを見極めたい」と話している。

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