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200本の映画を見放題〜NTTコムの「CoDen光サービス」

» 2004年04月08日 22時31分 公開
[RBB Today]
RBB Today

CoDen光サービスはマンションデベロッパーにも提供すると語る松田栄一氏(コンシューマ&オフィス事業部担当部長)
 NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)は、「下り最大100Mbpsのインターネット接続サービス」「IP電話」「オンデマンド映像配信サービス」の3つを組み合わせた「NTT Com CoDen光サービス(以下、CoDen光サービス)」を、まずは集合住宅用として7月1日より提供開始する。加入者目標は3年間で35万契約(マンションデベロッパーへの卸を含めると3年間で70万契約)。

 CoDen光サービスは集合住宅用として提供されるため、IP電話をセットにしたインターネット接続サービスの導入方式にはVDSLタイプとEtherタイプの2種類が用意されている。下り最大速度はいずれも100Mbps。導入方式の違いは、集合住宅の建築方法に左右される。新築であればほぼEtherタイプとなるが、ほとんどの既存マンションではVDSLタイプとなり、利用者は選択できない。なお、導入するにあたっては、1棟当たり8戸以上の契約が必要となる。

オンデマンド映像配信サービスにつながるセットトップボックス(左)。上に載っているのは、セットトップボックスを操作するリモコンと簡易キーボード。IP電話サービスに利用するVoIPアダプタ(右)

VDSLタイプのときに使われるVDSLモデム。下り最大100Mbpsが出る

 今回は集合住宅用としてリリースされたが、同社では本サービスをNTT東西の提供する光サービス「Bフレッツ」ユーザを利用するOCNユーザ向けにも提供する予定でいる。提供時期について、同社コンシューマ&オフィス事業部担当部長の松田栄一氏は「できるだけ早く提供したいと考えています。ただ具体的な時期についてはまだいえません」とコメント。現在、料金を含めサービス提供時期などを検討しているという。

 さらにCoDen光サービスでは、地上波、BS、CS、地上波デジタルを含めた「光TVサービス」を提供する。光TVサービスは同社自身が提供するのではなく、スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(以下、Opticast)やCATV会社と連携することで実現。無理に自社サービスとせずに放送事業者と連携することで、ほぼすべてのTV放送を提供することが可能となるうえ、経営的なリスク分散ともなる。CATV会社との提携についてはまだ交渉中のようだが、Opticastとは夏頃から開始する方向でほぼ固まっているようだ。

 また、インターネット接続サービスの内容は、4個のOCNメールアカウント、ウイルスチェック等のセキュリティサービス、ブログの提供など、同社のインターネット接続サービス「OCN」のサービスが提供される予定だ。これも現行リソースの有効活用だろう。

 まったく新しいジャンルのサービスとなるオンデマンド映像配信サービスは、世界初となる映画200タイトル見放題パックプラン(月ごとに20〜30本を入れ替えていく予定)が一番のセールスポイント。これは、7社のハリウッドメジャースタジオ、ギャガコミュニケーションズ、日本ヘラルド、バンダイチャンネルなどハリウッド映画や邦画、アニメ、アジアン映画などを1ヶ月間200本自由に視聴できるというもの。このパックプランは利用料の範囲内のベーシックサービスで、その他にも一部のネットワーク対戦ゲーム、占い、お天気、地図、ショートメールや伝言板機能などが追加料金なしに利用できる。

オンデマンド映像配信サービスのメニュー画面。左からトップページ、レンタルビデオ、カラオケ、ゲーム(クリックすると拡大します)

 また、プレミアム作品の視聴や映像カラオケなどは追加料金を支払うことで利用できるオプションとして提供される。たとえば、公開後6ヶ月たったばかりの作品や話題性のある作品などはプレミアム作品としてレンタルされる予定だ。料金は、2泊3日で100円〜400円というレンタルビデオ並の金額が検討されている。映像カラオケについては具体的な金額はまだ決まっていないものの、月額固定で歌い放題とするなどを検討中だ。無料提供予定のネットワーク対戦ゲームについても、無料で遊べるゲーム以外にも有料のタイトルを提供することも予定しているという。

 映画200タイトル見放題の中には、今話題の韓国映画なども予定しているということで、映画ファンならずとも注目に値する。特に、育児中や体の不自由な方など、外出が困難な(あるいは落ち着いて見ていられない)人達にとっては朗報といえるだろう。集合住宅向けサービスとして後発となるNTTコムだが、これらの魅力あるサービスとの組み合わせと日本全国というサービスエリアの広さを武器に先行する他社を追随する。

オンデマンド映像配信サービスを、リモコンを使って説明する槇山啓朗氏(ITビジネス推進部ブロードバンドソリューショングループ部長)
 なお、今回のオンデマンド映像配信サービスには楽曲配信は含まれていない。このことに対して、同社ITビジネス推進部ブロードバンドソリューショングループ部長の槇山啓朗氏は「音楽配信は著作権などが絡み、サービスを提供するのはかなり難しいという状況です。ただ、期間限定のプロモーションというスタイルならば提供できるかもしれません。今は、どのような形で提供できるかあらゆる方面から検討してみているところです」と説明する。

 初期費用ならびに利用料は、インターネット接続サービスの初期費用が13,650円(VDSLタイプ・税込)、21,000円(Etherタイプ・税込)、利用料が4,725円(VDSLタイプ・税込)、3,549円(Etherタイプ・税込)。オンデマンド映像配信サービスの初期費用が5,250円(税込)、利用料が2,520円(税込)。なお、この利用料の中にはセットトップボックスのレンタル料やコンテンツ利用料も含まれている。IP電話の通話料は、NTT Com IP電話(.Phone、.Phone Personal)や提携プロバイダのIP電話とはもちろん無料だ。また、契約者以外への通話料が全国一律3分8.4円(税込)、携帯電話への通話料が1分18.9円(税込)。

 槇山氏(前出)は「料金設定については、どこよりも安くをモットーに設定しました。一般サラリーマンがインターネットとレンタルビデオなどにかけるお金は、1ヶ月あたりだいたい7,000〜8,000円くらいです。その金額を目安に、現時点で最安値になるように設定しました」と、大いに自信をもって答えてくれた。