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“世界最大画面”なのに長時間駆動――サムスンのポータブルDVDレビュー(1/2 ページ)

» 2004年04月28日 18時30分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 約1カ月に渡って連載してきたポータブルDVDレビュー特集。そのトリを飾るのは、日本サムスンが今年1月に発売したポータブルDVDプレーヤー「DVD-L200J」だ。

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 DVD-L200Jは、2003年3月に発売したDVD-L100Jの後継機。DVD-L100Jからメモリースティックスロットを廃してコストダウンを図ったモデル。実売ではDVD-L100Jが10万5000円前後、DVD-L200Jが9万5000円前後と約1万円の価格差になっている。メモリースティックから静止画像(JPEG)や音楽データ(MP3)を再生する機能はなくなったものの、そのほかの主な仕様はDVD-L100Jとほぼ同じだ。

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 もちろん、DVD-L100Jで最大の魅力となっていた“画面サイズ”も、しっかりと継承している。

 DVD-L200Jは10インチのワイドTFT液晶ディスプレイを搭載。これはポータブルDVDとしては現時点で世界最大の画面サイズとなる。プラズマや液晶など薄型大画面TVで“The World's Largest(世界最大)”の称号にこだわるSamsungらしさが表れた製品だ。パネルの解像度は800×480ピクセルと、画面サイズから比べると少々物足りないもののDVDを視聴する上では必要十分な解像度といえる。

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 ただし画面サイズもビッグなら本体もビッグ。サイズは266(幅)×178(奥行き)×27.5(高さ)ミリで重さは1.2キロと、B5サイズノートPC並みの大きさ。ホワイトの外装に内側がシルバーのツートンカラーで、天板部は波型の溝が施されているなど、非常にオシャレな外観に仕上がっている。

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 そして画面が大きいというのは、やはり楽しい。

 リビングなどでTVを視聴する場合には数メートル離れて観るのが普通だが、手元近くに置くことの多いポータブルDVDは視聴距離も自然と短くなる。10インチとはいえ、画面から数十センチの距離で観るその映像は、リビングで40〜50インチクラスの大画面TVを観るのと同じくらいの迫力感を与えてくれるのだ。

 実際に映画を視聴してみると、これまでレビューしてきた画面サイズ7〜8インチのポータブルDVDとはまったく違う体験に驚かされた。映画の世界への没入感が、DVD-L200Jの方が圧倒的に勝っているのだ。液晶パネルはおそらくアモルファスシリコンTFTを使っていると思われるが、視野角は上下方向こそ狭いものの左右にはかなり広く、色再現性など画質もポータブルDVDとしては及第点以上の映像になっている。

photo DVD-L200Jの視野角は左右にかなり広い。画質も合格点

 だが画面サイズとトレードオフの関係なのがバッテリー寿命。ポータブルDVDでは1番の“電気食い”である液晶ディスプレイが大きくなればなるほど消費電力もリニアに増えていくからだ。

 ところがDVD-L200Jは、付属の専用バッテリーで約7時間の充電で約4時間半の連続再生が可能とメーカーはうたっている。これはポータブルDVDに標準搭載のバッテリー駆動時間としては、1、2位を争う再生時間の長さだ。

 やや半信半疑のまま実際に映画を観て連続再生時間を計測してみたところ、なんとメーカー公称値を大きく上回る6時間25分といううれしい誤算。しかも、ディスプレイの明るさは標準で、音声もヘッドフォンではなく内蔵スピーカーを使うという条件でだ。上映時間が3時間前後の長めの映画でも余裕で2本分、2時間前後の映画なら3本は観れるという長寿命設計は、持ち運べることがメリットのポータブルDVDにとってストレートに「便利!」といえる。

 長時間駆動の秘密は、バッテリーの大きさだ。

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