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「カメラのキタムラ」がオンライン専門の新会社を設立

» 2004年05月13日 15時14分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「カメラのキタムラ」を展開するキタムラとサイエントジャパンは、カメラや写真関連のオンラインサービス会社「ピクチャリングオンライン」をこのほど設立した。急拡大中のデジタルカメラ用プリント市場に新サービスを投入、新たな需要を掘り起こし、2008年には100億円の売り上げをめざす。

デジタルカメラの総撮影枚数は右肩上がり。今年は銀塩カメラの撮影枚数を上回ると同社は予測している。「ネットを介したプリント受け付けが特に急増している」(キタムラの北村正志会長)

 新会社では、従来からキタムラが手がけてきたデジカメ画像のオンラインプリントサービスや、カメラ関連製品のオンライン販売事業を引きつぐ。また新たな事業も積極的に手掛け、売り上げの4割は新事業で稼ぐ算段だ。

 新規事業としてまず、画像のネット共有サービスを始める。結婚式や旅行、運動会などのイベントで、個人がそれぞれ撮った写真を、イベント後にメモリカードごとをスタッフが預かり、画像データをサーバに保管。サーバにアクセスすれば、他の参加者が撮った写真でもプリント注文したり、写真入りグッズを作成できる仕組みだ。パック旅行や結婚式パックなどに組み込んで販売する計画で、既に複数のホテルとの商談が進んでいるという。

新サービスの流れ

 また、画像を使ってさまざまな指導が受けられるサービスも検討している。食事の画像を栄養士に見せて栄養指導を受けたり、ゴルフのスイング画像を見せてスイング指導を受けるといった具合だ。

 「キタムラは、店舗でのデジカメ画像プリント市場とオンラインプリント市場でトップシェアを占めているが、ライバルである家庭用プリンタの性能も上がり、低価格化している。専門店にプリントを頼むことの付加価値を高める必要がある」(ピクチャリングオンラインの岩崎賢剛社長)。

 新サービスに加え、家庭でプリントする際に面倒な、画像の整理・保管作業を代行したり、家庭用プリンタよりも高画質な写真を提供するなどして付加価値を高めていく考えだ。

 ピクチャリングオンラインがキタムラから引き継ぐ既存事業の2003年度売り上げは8億8000万円。これに新サービスを加え、2004年度は14億2000万円、2005年度は32億6000万円、2006年度は60億円の売り上げをめざす。

「デジタル化への対応は、我々“写真屋”だけでは限界と判断。ネットやECに強いサイエントジャパンとの提携、共同出資による子会社設立を決めた」と北村会長。ピクチャリングオンラインの資本金は1億円で、キタムラが6割、残りをサイエントジャパンが出資している

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