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イー・アクセス、通期で黒字を達成。04年度は累損を一掃予定

» 2004年05月17日 21時18分 公開
[RBB Today]
RBB Today

 イー・アクセスは、2004年度3月期(2003年4月〜2004年4月)の決算を発表した。これまで発表されていた決算予想の通り、23.6億円の純益を達成した。

 詳細は、売上げは381.4億円(前年比178.8億円増、以下同じ)、営業利益は41.4億円億円(84.9億円増)、経常利益は27.2億円(80.2億円増)、当期純利益は23.6億円(79.4億円増)。

2004年3月期決算

 黒字化の大きな要因は、会員(売上げ)を増やしつつ、コスト削減に成功したことにある。

 会員の獲得では、ダイアルアップユーザへのテレマーケティングなどをISPと共同で展開。さらに家電量販店での販促も積極的に行った。その結果、前年同期比95.4万回線増の149.6万回線に増加した。

 コストの削減の施策としては、これまで一部で専用線サービスを用いていた局舎間の接続をすべてダークファイバーで構築したり、1Mbpsサービスの開始により設備の稼働率を向上させたことが挙げられる。これらにより、前年と比較して売上げは178.7億円増(88%)になったものの、コストは81.6億円増(49%増)に収まっている。

 さらに、2003年度は黒字を達成したが、2004年度においては累積損失も一掃させる。これは、資本準備金142.3億のうち119.4億円を取り崩して行うもの。また2004年度は、売上げ510億円(128.6億円増)、営業利益60億円(18.6億円)、経常利益50億円(22.8億円)、当期純利益50億円(26.4億円)を見込んでいるとしている。

千本倖生氏
 決算発表では、代表取締役社長である千本倖生氏が「高い成長率を維持するとともに利益を確保」「今年度は単黒と累損を解消」「ADSL事業者では世界で初めての黒字化」など「健全な財務体質」を強調。AOLジャパンのISP事業の営業権取得やTD-CDMA(MC)など新規事業を積極的に展開する一方で、確実に利益を確保できることをアピールした。

 また「パブリックカンパニーにふさわしい経営の透明性」との方針で、社内取締役が3人の一方で、社外取締役を7人とするあらたな人事を発表。6月29日に開催される株主総会で正式に決定される予定だ。