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「PSX、スゴ録、コクーンのプラットフォームは統一へ」――ソニー久夛良木副社長

» 2004年05月19日 20時06分 公開
[中川純一,ITmedia]

 ソニーが5月19日に催した「2004年度ソニーグループ経営方針説明会」で大きな目玉の一つになったのが、久夛良木健副社長兼COOの処遇だ。同氏は現在、ソニー・コンピュータエンタテインメントの代表取締役社長であるとともに、本体のセミコンダクタソリューションズネットワークカンパニーNCプレジデントを兼ねている。

 だが6月22日付で実施される役員人事で、同氏の職掌分野はホーム(HENC)、半導体(SSNC)、ゲームの3分野となった。このうち“ホーム”はTVや、ビデオレコーダー、デジタルレコーダーなどを含んでいる。

 ソニーはデジタルレコーダーのブランドとしてPSX、スゴ録、コクーンをラインアップ。加えてBlu-rayレコーダーを抱えていたが、従来はこのうちPSXとBlu-rayが久夛良木氏の担当、スゴ録とコクーンはホームストレージカンパニーと分かれていた。しかし、1月の組織改変でホームストレージカンパニーが廃止。機能が久夛良木氏率いるブロードバンドネットワークカンパニーに移管され、それがさらに2004年4月1日、HENC(ホームエレクトロニクスNC)に統合されていた。

 説明会でこれらの製品の今後について尋ねられた久夛良木氏は、それぞれの商品について統廃合する考えは現時点で持っていないとしながら、「(レコーダーの)ソフトについては、これまでよく言えばそれぞれが自由にやっていた。だがそれはムダ」とコメント。今後はそれぞれのソフトを「まとめていく」方針を示した。

 また、ベースとなる半導体エンジンについても、各製品ごとに開発するのではなく、共通化させる。これは「激化する競争に対応するため、DVDレコーダーについては、(自らの持つ)半導体をひっくるめて競争力を持たせていく」(久夛良木氏)考えからだ。ソニーのデジタルレコーダーは、ブランドとしては従来の商品を引き継ぎながら、プラットフォームは事実上、統一されるわけだ。

 久夛良木氏は半導体事業についても「ソニー本体とSCEの半導体事業を一つにまとめて強い半導体事業を作っていく」とその方針を説明。同社はすでに5月11日、7月1日付けでソニー・コンピュータエンタテインメントの半導体製造部門(SCE Fab)を分割してソニーセミコンダクタ九州(SCK)が承継することを発表している。

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