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最新映画で活躍する3DCG――ただし、素材は「ガンダム」(1/2 ページ)

» 2004年06月02日 20時15分 公開
[中嶋嘉祐,ITmedia]

 全編にわたって3DCGでつくられた映画が、今夏封切られる――ただ、タイトルは「ガンダム」の冠付き。このような情報を「ガンダム担当者様」宛てにタレこまれた業界最大級のガンダムITサイトを標榜するITmedia ガンダム3DCG取材班は千葉県松戸の「BANDAI MUSEUM」(バンダイミュージアム)に飛んだ。

 バンダイミュージアムは、今年の7月19日に開館1周年を迎える。オープンから約10カ月の時点で来場者数は70万人を突破。1年で80万人を超える勢いという。同館は1周年を記念して、地下1階の「シアターB-one」を「バンダイミュージアム・シアター」として改装、フル3DCGによるガンダム最新作を同日併せて公開する。

 最新作のタイトルは「機動戦士ガンダム MS IGLOO(イグルー)――1年戦争秘録――」。監督は「機動戦士ガンダム 0083」の今西隆志氏、スーパーバイザーに「ラーゼフォン」「機動警察パトレイバー」の出渕裕氏が付く。1話(約25分)完結のオムニバス形式で3部作。ガンダム史上初めてジオン軍が主役になるという。主人公はジオン軍の技術士官。その心を「夏と言えば蚊取り線香、ジオンと言えば新兵器」と今西氏は解く。

photo 今西隆志監督

 「これまでにもCGを使ったガンダム作品はあったが、ほとんどイメージ映像でストーリー性に欠けていた。ストーリー性のある3DCGをガンダムという素材でつくったのが今作」と出渕氏。デザインワークスの荒牧伸志氏は、「3DCGで細かくモデリングしたことにより、見応えのある作品ができた」と話す。

 従来のガンダム作品でもモビルスーツなどのメカにはCGを使っているが、IGLOOではキャラクターもCGで制作する。「キャラクターまでCGにしたのは、全部CGでやる時代が来ると思ったから。バンダイミュージアム7階のガンダムミュージアムでは、セルアニメを使わずにCGや実物で見せている。地下のシアターでセルをやっては釣り合いが取れないと思った」と今西監督は説明する。

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photo ギレンなどの既存キャラクターの登場予定はない。「CGでやるのも可能だが、なじまない。作品そのものが壊れてしまう可能性もある」(出渕氏)。(C)創通エージェンシー・サンライズ

 この日の制作発表会では、IGLOOの特別映像も上映された。確かに3DCGを使ったことで、メカの細部まで細かく描かれている。また、戦艦の砲撃・被弾シーンでは、メガ粒子砲の重金属粒子が拡散する様子や被弾部の被害状況などを細かなエフェクトを加えて表現していた。

 今夏公開予定のIGLOO。ガンダム3DCGのメカ好きは、バンダイミュージアムまで1度足を運んでみては?

場面カット集

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