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国際音楽団体、今後も各国で個人提訴へ

» 2004年06月09日 08時12分 公開
[ITmedia]

 音楽業界団体の国際レコード産業連盟(IFPI)は6月8日、北米や欧州などで実施されてきた違法ファイル交換撲滅キャンペーンのこれまでの成果をまとめた。欧州では今年3月、ファイル交換ユーザー200人以上を相手取って法的措置が起こされており、IFPIではこうした取り組みの成果を強調。今後も各国で同様の提訴や告訴を続けていく構えだ。

 3月の法的措置の結果、デンマークでは17人が平均数千ユーロの損害賠償支払いに同意、ドイツでは1人で8000ユーロを支払うことになったケースもあるという。また、イタリアでは30人が著作権侵害の罪で起訴された。

 今後はデンマークでさらに24人の提訴を計画。また、フランス、スウェーデン、英国などでも必要に応じてファイル交換ユーザーの提訴に踏み切る構えで警告キャンペーンを展開している。

 このほか日本や欧州、米国など9カ国約2300万人に対し、インスタントメッセージで警告を送った。

 こうしたキャンペーンの結果、著作権付きの音楽ファイルを許可なく交換することは違法だとの認識が、キャンペーン開始前の66%から70%に向上。ネット上の違法ファイル交換件数も8億件となり、1月の9億件、ピーク時の昨年6月の11億件と比べて減少したとしている。一方で合法的な音楽サイトが普及、世界で100を超すまでになった。

 IFPIのジェイ・バーマン会長兼CEOは「今回の成果は、法的措置と合法的なオンライン音楽サービス立ち上げが相まって、違法ファイル交換に対するユーザーの姿勢に真の影響を及ぼしていることを示すものだ。まだ勝利宣言は時期尚早だが、市場の進捗状況、および世論の変化には勇気付けられるものがある」との談話を発表している。

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