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2004/06/22 06:18 更新

試合分析から視聴者への情報提供まで
ITがサッカーを進化させる? (1/2)

22人が同時に動き回るサッカーは、野球などに比べてデジタル化しにくいスポーツと言われてきた。しかし、それも過去の話。この分野にいち早く取り組んできたデータスタジアムに、どうやってサッカーをIT的な視点で切り取り、活用しているのかを尋ねた。

 スポーツは「調子」や「クセ」などアナログ的な要素を持つ一方、野球ならば打率や防御率、サッカーならばシュート数などの数値で表せる事柄も多い。

 普段、何気なく「あのバッターは左投手に弱いよね」とか、「あの選手は右サイドにいた方がいい動きをするよね」といった会話をすることがある。こうした試合を見ていて“感覚的に感じる”ことも、実はデータでそれを裏付けることができる。

 この分野へいち早くITによるデータ収集・解析手法を持ち込んだデータスタジアムに、「サッカー」というスポーツをどうやってIT的な視点で切り取り、活用しているのか尋ねた。

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同社のサッカー解析ツール「Data Striker」による試合分析例。ジュビロ磐田の得点シーンを分析したところで、フィールドの両翼を幅広く使った攻撃を行っていることがわかる

サッカーをIT化するには?――スタートは岡田ジャパン

 野球にはスコアブックというものがあり、プレーをデータ化することは昔から行われてきた。しかし、サッカーの場合は攻守が一瞬で切り替わり、敵味方あわせて22名が同時にプレーするというゲームの性格上、データ化は難しいと考えられてきた。

 「サッカーには野球でいうスコアブックのようなデータをまとめる定型フォーマットがなく、まず、データ自体をどう定義づければいいかという問題がありました」(同社)

 同社がサッカーのデータ化に着手したのは、1997年頃のこと。当時、サッカーの日本代表を指揮していた岡田武史氏(現 横浜F・マリノス監督)がデータを重視するスタイルだったことから、同社も協力スタッフとして代表チームのデータを収集し、それを岡田監督に渡すという作業を行った。それが今、同社の提供しているサッカー分析・解析サービス「Date Striker」の基礎になっているという。

 そのデータ収集方法は、誰から誰にパスが渡ったか、ボールを受けた選手がどうした動きをしたかなどといったアクションを一つ一つPCに入力していくというもの。こうして収集されたデータは岡田監督に手渡され、指導用の資料となったほか、ワールドカップの際には日本サッカー協会にも提出されたという(日本サッカー協会には技術委員会という部署があり、代表戦を中心に試合分析を行っている)。

 だが、サッカーのデータ化というこれまでにない挑戦だけに、周囲にその有用性が認知されるまでには多少の時間を要した。

 「野球で言えば“打率3割はすごい”と認識されますが、サッカーの場合、パス成功率や決定率などの数値を出しても“だから何なの?”と言われてしまいました」(同社)

 だが、同社はその後もデータ収集方法や分析についても研究を進めた。

 「実用化の一つの契機になったのは2002年、横浜FCにトライアル導入されたことです。試合分析はもちろん、スカウティングや選手の査定用などさまざまな用途で使われたなかで、“どういったデータが、どういったタイミングで必要なのか”“どういったビジュアルを用意すれば使いやすいのか”などの検証を行いました」(同社)

 そうして熟成を重ねた同社のツールは、「Data Striker」として2003年にJリーグの4チームへ導入された。その後も、現場からは「得点プロセスが分かるようにしてほしい」「ボールを奪取する5秒前からの映像を呼び出せるようにして欲しい」などの要望が寄せられ、そうしたフィードバックをもとに改良が重ねられ、2004年には10チームに採用されるまでとなった。

 Data Strikerは選手の起こしたアクションを一つ一つPCに入力し、そのプレーを「プレー抽出」「選手間パス頻度」「パス交換」「支配率」「パスターゲット」「パス方向」「ホットゾーン」「スタッツ比較」といった項目で分析することが可能になっている。

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両チームがどれだけボールを保持していたかを時系列で分析した支配分析率。全般を通して横浜F・マリノス(左)が優勢ながらも、60分から75分にかけてはヴィッセル神戸(右)が盛り返している

データ入力はTVとにらめっこで10時間

 一つ一つのプレーを記録するというが、サッカーのような動的なスポーツでは、アクションの数は膨大。具体的にはどのぐらいの作業が必要になるのだろうか。

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[渡邊宏,ITmedia]

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