松下電器産業は6月22日、テレビ向けインターネットサービス「Tナビ」のCATV向けサービス提供を開始したことを明らかにした。同日からまず関西ケーブルネットグループ(KCAN)5社と大阪セントラルケーブルネットワーク(OCCN)の計6社でスタート。「その他のCATV事業者とも話を進めており、今後、順次、提携事業者を拡大していく」(松下電器・eネット事業本部Tナビサービスグループ グループマネージャー、大野誠一氏)方針だ。
松下は今年3月にTナビ対応のデジタルセットトップボックス(STB)「TZ-DCH500」を発売済みで、Tナビの利用にはこのデジタルSTBを介し、契約しているCATV局のインターネットサービスに接続する。DCH500からTナビへのアクセスはいたって簡単で、リモコンのブラウザボタンを押すだけ。Tナビ自体の加入、および利用は無料だ(CATV局のデジタルサービス加入などは別途必要になる)。
CATVユーザーが最初に利用する場合、DCH500が機器IDによる認証を行い、CATV局の登録をたずねる画面を表示。ここで加入しているCATV局の登録を選択すれば、次回からはTナビのトップ画面にそのCATV局用のリンクボタンが表示される。このリンクボタンを通じて、CATV局独自のTナビコンテンツにアクセスできるようになる。Tナビのトップ画面は、このリンクボタン方式のほか、CATV局側のリクエストにあわせ、カスタマイズして提供することも可能だという。
今回サービスがスタートしたKCANやOCCNでは、全国向けのTナビコンテンツに加え、独自のTナビコンテンツとして、それぞれのお勧め番組の紹介や、地域のイベントや行政情報など、地域密着型の情報を提供している。
例えば、KCANの池田局ではカメラ付き携帯やデジカメで撮影したデータをサーバに送信すると、自動的にTナビやTVに情報が掲載・放送される「携帯版 撮ってよ!でんしちらし」というサービスを行っており、個人商店のお買い得情報や、その日の小学校の給食メニューといった“超”地域密着型情報をTV画面上で見ることができる。
CATV会社は現在、ブロードバンドサービスなどと激しい競争を繰り広げている。そうした意味で、今回のサービスは「CATVサービス自体への加入や解約防止、PC未利用ユーザー向けのインターネット接続サービス加入の促進などの効果が期待できる」(大野氏)。同氏によれば、今回の6社のほか、「イッツ・コミュニケーションズ(iTSCOM、旧東急ケーブルテレビジョン)など4社はすでにリンクボタンを置ける状態。その他の事業者も、今秋から年末にかけて続々スタートする見通し」(同)という。
Tナビは2003年5月にサービスが開始、現在59社が75のコンテンツサービスを行っている。昨年9月に松下が薄型TV「VIERA」シリーズで標準搭載したほか、パイオニア、日本ビクター、三菱電機など計11社が対応したTVやデジタルハイビジョンチューナーを発売している。
現時点でTナビが提供しているのは静止画情報だけだが、プリンタへの対応に加え、動画や音声情報の提供なども検討中だという。
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