日本ビクターの米国法人JVCカンパニー・オブ・アメリカ(JCA)は6月24日(現地時間)、独自表示デバイス「D-ILA(Direct-Drive Image Light Amplifier)」の高精細タイプを搭載したリアプロジェクションテレビ(PTV)2機種、61V型の「HD-61Z575」と52V型の「HD-52Z575」を発売すると発表した。
7月から北米で発売する。標準価格は61V型HD-61Z575が5499ドル95セント(約59万円)、52V型HD-52Z575が4499ドル95セント(約48万3000円)。いずれも50インチ以上の大画面テレビでインチ1万円を切っており、ストリートプライスではさらに安くなる見込み。
D-ILAはシリコン上に液晶パネルを形成した反射型液晶素子「LCOS」(Liquid Crystal on Silicon)の一種で、一般的な透過型液晶(LCD)方式に比べて光の損失量が少なく、高開口率/高解像度/高コントラスト/長寿命/高速応答と、グリッド(格子縞)の目立たない滑らかな映像表現を可能にする。また、DLP(DMD)方式にはない液晶ならではの自然な階調表現も特徴だ。
今回新たに開発された高精細タイプD-ILAのサイズは0.7インチで、今年3月のフルHD対応D-ILAフロントプロジェクター「DLA-HD2K」発表会で参考出展されていたものだ。
解像度は1280×720ピクセルとなりハイビジョン放送に対応。両機種ともにこの0.7インチデバイスを3枚使用して画像のチラツキや焼きつきを防止。画像処理に独自の映像処理専用LSI「GENESSA」を搭載している(GENESSAの詳細は4月20日の記事参照)。
HD映像を非圧縮デジタル信号で入力可能な「HDMI端子」を装備。消費電力は約195ワットと同社の32型CRTテレビ並みながら、液晶/プラズマテレビと遜色ない明るさを実現したという。輝度は61V型が500カンデラ/平方メートル、52V型が700カンデラ/平方メートル。
サイズは61V型が1456(幅)×1042(高さ)×470(奥行き)ミリで重さ44.3キロ、52V型が1264×914×412ミリで重さ37.8キロと、両機種ともにブラウン管テレビで20型並みの奥行きしかない薄型設計で、重さもブラウン管テレビの30型前後とほぼ同等になっている。本体は液晶/プラズマテレビ感覚のスタイリッシュなデザインを採用した。
大画面PTVでは、セイコーエプソンが5月31日に57V/47V型の「LIVINGSTATION」を国内で発表している。今回のビクターPTVも日本市場での販売に期待したいところだ。
主な仕様は以下のとおり。
型名 | 「HD-61Z575」 | 「HD-52Z575」 |
---|---|---|
サイズ | 61V型 | 52V型 |
表示部(幅×高さ) | 1350×760ミリ | 1151×648ミリ |
デバイス | 0.7インチD-ILA×3(アスペクト比16:9) | |
解像度 | 1280×720ピクセル | |
ランプ | 110ワット高圧水銀ランプ | |
受信チャンネル | 181チャンネル(米国仕様) | |
放送入力形式 | 480i/480p/720p/1080i(いずれも720pで表示) | |
消費電力 | 195ワット | |
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 1456×1042×470ミリ | 1264×914×412ミリ |
重さ | 44.3キロ | 37.8キロ |
価格 | 5499.95ドル(約59万円) | 4499.95ドル(約48万3000円) |
発売時期 | 7月 | |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR