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決定打がない大画面テレビの“割りきり選択法”Weekly Access Top10(2004年6月18日−2004年6月24日)

» 2004年06月25日 23時08分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 今週は、大画面テレビとして人気のプラズマが「“これからのリビングテレビ”として実はふさわしくないのでは?」と問題提起した記事がトップにランクイン。折りしもボーナスシーズン真っ只中、大画面テレビ購入選択の参考になれば幸いだ。

 この記事がプラズマテレビを真っ向から否定しているわけではないのは理解してもらえただろうか。ブラウン管と同じ自発光型のプラズマは動きの速い映像でも液晶のような残像が発生せず、画素を消灯させれば“真っ黒”になるのでコントラスト豊かな映像が表現できる。スポーツ観戦や映画鑑賞なら、筆者も液晶よりプラズマを選択するだろう。

 だがリビングに設置する大画面テレビは、最低でも5〜6年、できれば10年は使いたいもの。そう考えると、フルHDへの対応が構造上難しいプラズマは、地上アナログ放送が終了して地上デジタル放送がメインとなる2007年以降、少し寂しい思いをするかもしれない。プラズマの消費電力の多さも、電化製品があふれるリビングで長時間利用するとなると精神衛生上あまりよろしくない。

 実は筆者も現在、リビングテレビの買い替えを密かに狙っている。リビングテレビの買い替えでまず考えるのは「今のブラウン管テレビよりも大画面にしたい」ということ。省スペースさが売りの薄型テレビを選ぶメリットも、同じ設置面積で無理なくインチアップできるからだ。

 CRTで29型前後を観ていたら、ワイド画面では37インチ以上にしたいところ。実際には29型CRTを設置していたスペースには横幅さえ許せば50V型クラスまで置けるのだから、できるならその上限サイズを狙いたい。そうなると、40インチ以上では100万前後になってしまう液晶は価格面で選択肢から外れる。

 こうなってくると本当に迷ってしまい、なにも買えなくなる。ここは消去法で、リビングテレビに求めるものを3つだけ残してあとは目をつぶってみよう。できるだけ大画面にしたいと考える筆者なら「設置できる上限サイズ」「省電力」「価格(50万円以下)」を残す。

 この3項目にうまく合致するのが、プロジェクションテレビ(PTV、リアプロ)だ。

 タイミングよく本日6月25日(現地時間24日)、日本ビクターの米国法人がPTV新製品2機種を発表した(別記事参照)。下のサイズの52V型は1264(幅)×914(高さ)×412(奥行き)ミリというコンパクトサイズ。特に設置で重要な奥行きは、ブラウン管テレビなら21型クラスの薄型設計。すかさずメジャーを持ってリビングのサイドボード奥行きを計測すると500ミリ――余裕で置けるではないか。

 注目したいのが重さで、なんと37.8キロしかない。これは25型ブラウン管テレビ並みの軽さだ。消費電力も195ワットと同型プラズマテレビの半分以下。価格も実売ではおそらく40万を少し上回るぐらいになるだろう。

 近いうちに日本ビクターにお邪魔して、実際の映像の確認と、国内市場への投入を強力に提案してくるつもりだ。もっとも、絶妙にインチ“1万円”を下回っている標準価格の設定から推測するに、初めから国内市場も視野に入れているのかもしれない。

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