ようやく、松下電器産業以外の新機種がランキングに顔を出し始めたようだ。7月第1週のDVDレコーダー売れ筋ランキングには、「選んでポン」のCMでお馴染みのパイオニア「DVR-520H-S」が初登場。先週の11位から一気に6位へと浮上した。
順位 | 前回 | メーカー名 | 型番 | 発売年月日 | 標準価格 |
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1 | 1 | 松下電器産業 | DMR-E85H | 2004/4/1 | オープン |
2 | 2 | ソニー | RDR-HX8 | 2003/11/21 | オープン |
3 | 3 | 松下電器産業 | DMR-E150V | 2004/6/21 | オープン |
4 | 7 | ソニー | RDR-HX6 | 2004/4/1 | オープン |
5 | 4 | ソニー | RDR-VD60 | 2004/4/1 | オープン |
6 | 11 | パイオニア | DVR-520H | 2004/6/1 | オープン |
7 | 5 | パイオニア | DVR-510H | 2003/10/1 | オープン |
8 | 6 | 松下電器産業 | DMR-E95H | 2004/5/10 | オープン |
9 | 9 | 東芝 | RD-XS32 | 2003/12/1 | オープン |
10 | 10 | 松下電器産業 | DMR-E75V | 2004/4/21 | オープン |
この記事では、マーケティング会社GfK Japan調べによる全国3500店舗の量販店(家電量販店、カメラ販売店、PC専門店)のPOSデータを集計し、モデル別のランキングで紹介しています
DVR-520H-Sは、パイオニアの新製品の中では普及モデルにあたる製品だ。DVD-R/-RWドライブと160GバイトのHDDを搭載し、同社としては初めてEPG「G-Guide」を採用。基本性能は上位機のDVR-620H-Sと同じながら、店頭価格は平均8万円を切る程度とコストパフォーマンスも高い。とくに7月に入ってからは7万円前後で販売している店舗も増え、販売台数を押し上げる一因になったと思われる。
さて、パイオニアのDVDレコーダーを語る上で欠かせないのが、同社のCM戦略だ。昨年は、白石美帆が“最大約24倍速”の高速ダビングを前面に押し出したCMで話題になったが、今回は「男はつらいよ」シリーズの「寅さん」(故 渥美清さん)と竹内結子さんが競演。「カンタンDVDレコーダーはパイオニア」「取るのも 見るのも ダビングも 選んでポン」と操作の簡便さを打ち出している。
一方、8倍速ドライブを搭載した新製品には、“最大約55倍速ダイビング”が可能という特徴もある。このため昨年と同じ路線のCMを打ち出すこともできたはずだが、同社はアテネオリンピック需要を見越して「初めてDVDレコーダーを購入する層」にフォーカスを絞ってきた形だ。この点は他社も同様だが、製品の仕様、広告戦略の両面で、最もメッセージ性が強いのはパイオニアではないだろうか。
DVDレコーダーの老舗と言える同社だが、2002年度に22.7%あったシェアを、2003年度には14.7%まで落としてしまっている。その理由が「EPGの非搭載」にあったというのは自他共に認めるところだ。逆に、EPGを搭載し、寅さんという味方を得て、今後どこまで販売台数を伸ばしていけるのか。夏商戦の行方を占う上でもパイオニア製品の動向には注目が集まっている。
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