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ネットで特産品購入、生産者による情報提供を重視する傾向に

» 2004年08月16日 19時04分 公開
[ITmedia]

 インフォシークと三菱総合研究所は、「第4回ブロードバンド利用者調査」を実施、その結果を発表した。調査期間は7月23日〜28日、15歳から59歳の男女を対象に行われ、回答者は2051人(男性49.8%、女性50.2%)。

 今回の調査では、インターネットを通じた地域特産品の購入と、主に地域住民が制作した番組をインターネットで放送する「インターネット放送局」をテーマとして調査を実施。

 これによると、インターネットで地域特産品を購入したことがあるユーザーは21.9%。今後ネットで購入したいという人も36.2%に上った。購入したことがある特産品(複数回答)は、農産物・農産加工品は50.6%、水産物・水産加工品が48.5%で多く、ほかにも菓子類(27.1%)、畜産品・畜産加工品(20.5%)、酒類(20.5%)と食品がほとんどを占めた。

 商品を購入したサイトは、6割がオンラインショッピングモールで、各店舗の独自サイトが31.1%が続く。サイトを知ったきっかけは、ショッピングモールでの購入者は半数近くが「過去に利用したことがある」だが、それ以外のサイトは「商品名を検索で知った」が半数近いといった違いがみられる。

グラフ 特産品を購入したサイト

 購入の決め手は、「価格が安い」がトップで26.4%、次いで「ポイントなどが貯まる」12.4%、「生産者・栽培者による商品の説明が充実していた」10.7%、「配送料が無料」10.4%と続く。

グラフ 特産物を各サイトで購入した理由

 とはいえ、サイトの種類によって、決め手の理由は異なり、ショッピングモールでの購入者は「低価格」「ポイントサービス」「配送料無料」が上位3位だが、各店舗が独自に開設しているサイトでの購入者は、「生産者・栽培者が自分で運営」「低価格」「生産者・栽培者による商品の説明が充実」が上位にくる。また、母数が12と少ないが「地方公共団体などが運営するページ」での購入者は、「原材料・精算・栽培過程が公開されていた」をトップに挙げている。

 また、購入時に提供の有無を重視する情報(複数回答)として、商品の使い方や調理方法などの解説だけでなく、原料や生産方法など生産過程に関する情報や、生産者のメッセージを重視する回答が多かった。食品の生産地偽装など、食品の信用性に関わるニュースが増えている状況を受けた結果といえ、生産者と消費者の信頼関係を結ぶ情報の提供が、今後重要視されると見ている。

 なお、地域住民制作による「インターネット地域放送局」の認知状況は、利用経験は3%前後だが、3割弱が「聞いたことがある」と回答しており、取り組み自体がまだ限られていることから、意外に高い数字だと分析。利用したい情報はイベントや飲食店情報が多いが、居住地域では医療機関や小売店舗情報が、旅行したい地域では名所・史跡・特産品情報についての情報がそれぞれ求められている。

 参加意向は全体で3割で、年齢が高くなるほど参加意向も高くなる傾向がみられ、職業別では、自営業が4割を超えて高いが、会社員・公務員、主婦も35%前後が参加に意欲的だ。

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