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D4端子搭載のスキャンコンバータを試す〜バッファロー「SC-D4」レビュー(2/2 ページ)

» 2004年08月23日 15時38分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 PCからアナログRGBを、手持ちのソニー「KLV-23HR2」のD端子へケーブルを接続し、電源をつなげば準備完了。PCの電源を入れると、すぐに画面が表示される。この製品の対応解像度は640×480〜1600×1200ピクセルまでで、BIOS画面でもすでにくっきりした映像を確認できた。しかし、これは最低解像度にすぎない。Windows画面でさまざまな表示モードを試してみよう。

 まずは標準的な1024×768ピクセル(XGA)で、D1からD4までを確認してみる。D1/D2(525i/p)では、やはり細かい文字がつぶれている。読めなくはないという程度。それでも、コンポジット/Sでの接続に比べれば、ずいぶん見やすい印象だ。なぜかD2よりもD1のほうが一見してきれいなのだが、これはテレビ側の画質補正によるものか。次にD3(1125i)。画面が横長に引き伸ばされてしまった。ワイドテレビなので当然だが、D3/D4ではテレビ側でワイドモードの切替ができない。「SC-D4」側で切り替えたいものだが、どうやらそうした機能はないようだ。画面設定メニューにはTVモードで4:3/16:9の切替が可能だが、D1/D2のときにしか反応してくれない。

 それでは、ということで、画面モードを1280×768ピクセル(1280×720にも対応)に変更してみる。D3ではインタレース特有のちらつきが気になり、小さな文字は見づらいが、D4(750p)では予想以上に鮮明(もちろん、PC専用ディスプレイほどではないが)で、文字も読みやすい。このレベルであれば、十分に実用的だろう。

photo 1280×768ピクセルでの表示。写真で少し見づらくなっているが、実際の見かけはすっきりしており、実用レベルの視認性を確保できている

 ITmediaトップのロゴの右のチャンネルタブなどの小さな文字もすべて(無理なく)判読可能だ。試しに1920×1080ピクセルに上げてみたら、とりあえず表示された。しかも、小さな文字も判読できなくはないレベルだ。ただ、この場合、無理をすればという域は超えないので、1280×768(4:3なら1024×768)あたりにとどめておくべきだろう。DVD再生も試してみたが、動きに違和感もない。

 画面設定メニューでは、「明るさ」「コントラスト」「シャープネス」が調整できる。ただ、少し赤に寄った派手な印象はあるものの、デフォルトでもおかしな色合いにはなっていないので、調整なしでも問題ない。問題は位置調整で、「水平」「垂直」ともにわずかな移動にとどまるので、使用しているグラフィックカードによっては、「SC-D4」の設定だけでは画面内に収められないこともあるかもしれない。また、表示サイズの調整はない(3種類のオーバースキャンのみ)。このあたりはテレビ、またはPC側の設定で調節せざるをえないだろう。また、「水平位置」「垂直位置」の設定は、いったん調整して保存しても、オーバースキャンやDモードの切替で失われてしまったり、メニューの操作性は全般によくない。

photo 画面設定メニューでは、「明るさ」「今トラスト」「シャープネス」「ちらつき補正」のほか、「水平位置」「垂直位置」の調整や、TVモードの切替が可能

 PCのグラフィックカードにコンポーネント出力が装備されているなら、こうした製品を購入する必要はない。また、テレビにDVIやアナログRGB入力があれば、そちらを使えばいい。しかし、アナログRGBをテレビへ出力する必要があり、しかも、テレビにD4対応端子が装備されているなら、「SC-D4」のようなスキャンコンバータを導入するのが最適といえるだろう。少なくとも画質にはそれなりに満足できるはずだ。

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