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アテネ後もミテネ〜低価格“液プロ”シアターの愉しみ劇場がある暮らし――Theater Style(1/3 ページ)

» 2004年08月27日 23時53分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 オリンピック需要で売れたのは、DVDレコーダー(ホントニ保存スルノデスカと思うのだが……)のほか、プラズマテレビや液晶テレビが中心のようだ。中には、最も低価格帯でハイビジョン大画面を映し出せる液晶プロジェクターを購入した人もいるだろう。しかし、アテネで終わりではない。これをきっかけに、ホームシアターの道へ進んでほしいものだ。

 ただ、こんな声も聞かれる。「ひとたびハイビジョンを観ると、もはやDVDなんて観られない」。おそらく、それは確かだ。実際、ずっと以前にハイビジョンの映像を初めて目にしたときには、「ああ、もうDVDなんて、買い集めてもしかたないんだ」と思った。AACによる5.1サラウンド音声も、実用的なレベルは確保している。

 DVDでの再生映像と見比べてみると、際立って違うのは、エンドクレジットなどの文字が非常に精細なこと。また、28MbpsというDVDの3倍程度のビットレートにより、ブロックノイズが少なく(皆無ではない)、奥行きのある映像を見せつける。なかでも、ハイビジョンカメラで撮影されたスポーツ中継や音楽ライブの映像は圧巻で、今年のアテネオリンピックも高画質で堪能させてもらった。

 では、もう映画もハイビジョンでしか観ていないのかというと、そうでもない。ハイビジョンで映画をコレクションするには、D-VHSかブルーレイディスクが最適だろうが、D-VHSはあまりに初期に買いすぎたせいで、手持ちの製品はハイビジョン対応ではない(そして、買い換える気もない)。ブルーレイは数年後には買うだろうが、ちょっとまだ手は出したくない。

 いちおう、アイ・オー・データ機器のデジタルHDDレコーダー「Rec-POT S」は持っているので、録画はしているが、容量に限りがあるので、気が向いたら観て、すぐに消すという流れ。ホームシアターの映画コンテンツとしては補助的な存在となっている。

photo アイ・オー・データ機器のデジタルHDDレコーダー「Rec-POT S」

 それに、いまハイビジョンの視聴に利用しているのは、1280×720画素の液晶を利用したプロジェクター、および、1280×768画素の液晶テレビで、いずれにせよ、放送されている1125i(1080i)のハイビジョンをフルスペックで表示できているわけではない。放送されている映画も、大作などには高画質を極めたものが見受けられるが、すべて上々というわけではない。

“液プロ”シアターで観るDVDの「画質向上策」

 DVDも解像度やビットレートでは負けているが、エンコーディング技術でカバーして、高品質な映像を提供しているパッケージも多い。そもそも、何の工夫もせずに「DVDはだめだ」などと、あきらめてしまうのは癪だ。それ以来、少しはましにできるのではと、いろいろと工夫を凝らす日々が1年近く続いているわけである。

 まず、いまの環境について簡単に紹介しておこう。ホームシアターといっても、単なるリビングで、ぶらさがっているのはワイド110インチのキクチ製スクリーン。もう、かれこれ6年以上使っているが、なにしろ壊れない(壊れるわけない)ので買い換える必要もない……。

 液晶プロジェクターは昨年、松下電器産業のTH-AE500に買い換えた。以前は三菱電機のLVP-L10000を使っていたが、ついにランプが寿命切れ。ランプは数万円で交換したが、しばらくたって液晶パネルにRGBズレらしき症状が……。サポートに電話すると、とりあえず訪問診断(もちろん有償)とのことだが、修理費が気になるので来る前に教えてもらった。パネル交換なら15万円以上という返答。自己診断だが、そうなる気がしたので、訪問すら断った。

 「もう高価な製品はいいや。15万円も出せば、それなりの最新型プロジェクターが買える。安価なプロジェクターを数年毎に買い換えたほうが……」というわけで、実売価格16万円程度のTH-AE500へ。

photo 松下電器産業のTH-AE500

 最近ではホームシアター用途にはプラズマテレビや30インチ以上の大型液晶テレビも人気のようだが、個人的には費用対効果を考えると買えない。それにプロジェクターは導入時の敷居の高さや運用時の不便さが槍玉に挙げられることも多いが、6畳一間のアパートにシャープのXV-P1を入れてから(寝る場所を確保するため、ロフトベッドに設置していた。つまり、二段ベッド状態で80インチ投影を確保。ベッドの支柱にサラウンドスピーカーもつけられ、一石二鳥の方法)、プロジェクター生活は早10年以上だが、面倒を感じたことはない。

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