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ネットショッピング市場成長にはブロードバンドの普及が影響――富士通総研

» 2004年08月31日 17時14分 公開
[ITmedia]

 富士通総研は8月31日、インターネットユーザーのショッピング行動を調査した「インターネットショッピング2004」を発表した。

 これによると、ブロードバンド利用者に、常時接続回線へ変更した前後における1週間のインターネット利用時間と利用頻度の変化をたずねたところ、どちらについてもほぼ4人に3人が「以前よりかなり増えた」と回答し、「多少増えた」と合わせると、9割強が利用時間と頻度の増加を感じたという。

 具体的には、インターネットを1週間に10時間以上利用している人は、ブロードバンド利用者で62.7%、また「30時間以上」も16.8%いた。これに対して、ダイヤルアップ利用者は10時間未満が72.6%を占める。

 ブロードバンド導入により利用するのが増えたサービスに関しては、半数以上の人が「キーワード検索」や「Yahoo!等のポータル」「ニュース」「メールマガジン」などを挙げており、「ネットショッピング」の利用も「以前より増えた」と回答した人が61.2%だった。

 ネットショッピングの利用実態をたずねたところ、年間で平均8.8回利用し、1年間に費やした合計金額の平均は9万5606円となる。また、購入された商品カテゴリーで比較的男女差が見られないものは、「音楽CD・ビデオ・DVD」、「ホテル・航空券・旅行」「ホビー・趣味用品」「文具・事務用品」など。

 一番最近利用したネットショップは、楽天とYahoo!に出店するショップが31.5%でもっとも多く、モールやポータルのなかでは、楽天とYahoo!がほかを大きく引き離した2大勢力であることがわかった。また、利用したネットショップのタイプを2年半前の調査と比較すると、楽天、Yahoo!とそれ以外を合わせた「モール、ポータル出店」の比率が倍近くに増加する一方で、「店舗系」「ネット単独店」「メーカー直販」が減少していた。

 一番最近利用したネットショップが、そのときはじめての利用だったという回答者に限定して、どのようにショップを見つけたか質問したところ、もっとも多かったのは「サーチエンジンで検索」(37.0%)で、次に多い「モールで探した」(11.7%)以降にかなりの差を付けたという。このことから、モールやポータルへの出店は集客に有効だが、並行してサーチエンジンの検索に引っかかるようにしておくことも重要であり、キーワード広告を利用するのも一つの手だと、同社は考察している。

 気に入って何度も繰り返し利用するショップが「ある」と回答した566人に、「一番気に入っているショップ」の名前1つを挙げてもらったところ、91人が「アマゾン・ドットコム(日本、米国その他を含む)」と答え、2位以降に大差をつけた。気に入っている理由としては、「品揃えの良さ」「1500円以上購入で送料無料」「音楽CDや洋書の価格の安さ」「配送・対応の早さ」のいずれかを挙げる人がほとんどで、このほか、「検索の使いやすさ」「注文手続きの簡単さ」も評価されていた。

 同社は、今回の調査結果を通して、「ブロードバンドの普及」と「他のチャネルと比べたインターネットの優位性認識拡大」、「ネット歴およびネットリテラシーの蓄積」の効果がここ数年のネットショッピング市場成長の主な要因であるとしており、これら3つの効果はまだしばらく継続すると見て、ネットショッピング市場には今後数年間は追い風が吹くと予想している。

 なお、今回の調査は、マーケティングサービス「iMiネット」を利用し、10〜69歳のPCによるインターネット利用者を対象にWebアンケートを実施したもの。有効回答数は1123件。

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