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パートナーの重要性物語る「Appleとソニーの提携」話

» 2004年09月04日 08時52分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Apple Computerのスティーブ・ジョブズCEOがソニーの出井伸之会長に対し、AppleのiTunes Music Storeへの参加を持ちかけていたと、日経産業新聞が9月2日報じた。実現していれば、同サービスの共同運営につながっていたかもしれないと同紙は伝えている。

 匿名のソニー筋の話として同紙が伝えたところでは、この話は、今年1月ハワイで開かれたプロゴルフツアー「ソニーオープン」で両氏が会談した際に持ち出された。ジョブズ氏はMicrosoftとの競争で優位を保つため、サービスにソニーブランドを導入したい意向だったと報じられている。Microsoftはこのほど、MSN Musicのβ版を立ち上げたばかり。

 ソニーはこの報道についてコメントを避けた。Apple広報のテレサ・ウィーバー氏も「噂や憶測にはコメントしない」と話している。

 Appleは現在この市場をリードしているかもしれないが、長期的には提携が重要になると指摘するのは、Gartnerの一部門Gartner G2のリサーチディレクター、マイク・マグワイア氏。

 「Microsoftとソニーを含め、市場でのApple対抗勢力のことを考えると、この市場では大きな困難が待ち受けている。ソニーとAppleであれ、ソニーとほかのどこかであれ、Appleとほかのどこかであれ、いずれ提携が欠かせなくなる。この市場は不安定な状況にあり、いつ淘汰が起きるかは分からないが、淘汰は避けられない」とマグワイア氏。

 Appleがもはや単独で乗り切ろうとしているわけでないのは確実だ。同社はHewlett-Packard(HP)と提携済みで、先日HP版のiPodが発表された。HPと手を組むことで、iPodの流通チャネルは大幅に拡大できる。これは、技術通のヤングアダルト層を越えてオンライン音楽サービスの利用者を拡大する上で重要な一歩だと、マグワイア氏は指摘する。

 「オンライン音楽を大衆のものにするために手を組むことは非常に重要だ。Appleは今現在、非常に好調なスタートを切っているが、チャネル拡大のために進んでHPと手を組む姿勢は、この市場拡大のためにパートナーが必要なことを物語る好例だ」(マグワイア氏)

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