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望まれる「電子カルテ」の情報提供――電子カルテに関する一般生活者の意識

» 2004年09月16日 20時41分 公開
[ITmedia]

 NTTレゾナントと三菱総合研究所は9月16日、意識調査「電子カルテに関する一般生活者の意識」の結果を発表した。

 これによると、電子カルテについて「内容は知らないが聞いたことがある」と答えた人が43.5%でもっとも多かった。その一方、「詳細を知っている」(4.6%)と「概要を知っている」(22.9%)とした人を合わせても3割に満たず、電子カルテそのものの認知度が低いことがわかった。

 世代別に見ると、一般的に通院頻度の高い70歳代では「電子カルテについて知らない」と回答した人は13.6%ともっとも低く、通院頻度の高い世代ほど電子カルテの認知度が高い傾向にある。

 自分の通院する医療機関においてカルテが電子化されているかどうかをたずねたところ、約半数(49.6%)の人は「わからない」と回答した。この値は、電子カルテについて「知らない」とする29.0%を上回っており、電子カルテの存在を認知している人でも通院先の取り組みについて認識していない実態が明らかになった。

 電子カルテに対する印象を、患者の「メリット」および「デメリット」でそれぞれ当てはまる項目を選んでもらったところ、メリットは「病院内・病院間における病歴確認の確実性」(39.0%)、「受付・調薬・会計等の待ち時間の短縮」(36.2%)、デメリットでは「個人情報漏えいの不安」(48.4%)、「システム故障によるミス・データ紛失の不安」(32.4%)という回答が目立った。

 次に、電子カルテは患者にとってメリットとデメリットのどちらが大きいか質問すると、「メリットの方が大きい」が41.9%、「どちらも同じ程度」が32.4%で、「デメリットの方が大きい」と答えた人は9.7%にとどまった。世代別に見ると、年齢が上がるほど「メリットの方が大きい」と感じている人が多く、70歳代では72.7%もの人が「メリットの方が大きい」と回答している。

 また、電子カルテが「患者と病院のどちらにメリットがあると思うか」の設問には、「病院」と答えた人が54.6%で半数を超え、一方で「患者にメリットがある」とした人はわずか8.3%だった。

 カルテ電子化に対して「不安がある」人は58.5%で、「不安はない」の数をやや上回る結果となった。さらに、カルテ電子化に関して「もっと情報が欲しいと思う」人の割合は66.9%にも上っており、患者の不安を解消するためにも、より多くの情報提供が望まれているのが現状のようだ。

 同調査は、インターネットアンケートサービス「gooリサーチ」を利用し、登録モニターを対象に実施された。有効回答者数は2182名。

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