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ギネス級の癒しアザラシ「パロ」、リース開始

» 2004年09月17日 20時32分 公開
[ITmedia]

 産業技術総合研究所(産総研)知能システム研究部門とマイクロジェニックスは9月17日、アザラシ型の癒しロボット「パロ」の最新型・第8世代を開発し、9月20日から高齢者向け福祉施設などを対象にリース提供すると発表した。

 販売活動は、産総研ベンチャー開発戦略研究センターが9月17日に設立した新会社「知能システム」が行う。

 パロは産総研が1993年から開発。「世界でもっともセラピー効果があるロボット」としてギネスブックにも認定されている。学習機能を備え、名前を覚えられるほか、飼い主になでてもらった行動を学習し、その行動を頻繁に行うようになる。

 第8世代は、これまでのセラピー実験を基に改良を重ね、抗菌、防汚加工、電磁シールドなどを施して安全性や耐久性を高めた。

 体長は57センチ、体重は2.7キロ。面触覚センサー、ひげセンサー、光センサー、マイク、温度センサー、姿勢センサーを備える。アクチュエータはまぶたに2つ、上体の上下、左右、前足に2つ、後ろ足に1つ装備した。CPUは32ビットRISCチップ。ニッケル水素充電池におしゃぶり型充電器で充電し、1時間半の連続稼動が可能だ。1台1台手作りのため、顔つきなどが異なる。

 昨年8月から、茨城県つくば市の介護老人保健施設「豊浦」でパロによるロボットセラピーを実施。うつの改善や元気付け、動機付け、会話の増加、ストレスの低減など入所者への効果に加え、介護者の心労を減らすのにも役立ったという。実験中、故障・事故はなかったとしている。

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