2000年の発売から約4年半を経過した「PS2」が、1億台出荷に向けて“薄型/軽量/小型”に進化した。
既報の通り、ソニー・コンピュータエンタテインメントは9月21日、家庭用ゲーム機「PlayStation 2」(PS2)の新機種「SCPH-70000」を11月3日に発売すると発表した。価格はオープンで、実売予想価格は1万9800円程度。
全世界で1億台以上を販売した初代プレイステーション(PS1)の後継機であるPS2は、すでに累計出荷台数が7300万台を超えるなどPS1とともに自他ともに認める“世界でもっとも普及したゲームプラットフォーム”の地位を築いている。
「PS1が1億台もいくとは夢にも思わなかったが、PS2もすでに現時点で7360万台となっている。今年末商戦もPS2用の素晴らしいタイトルが用意されており、われわれも(ハード普及に)最大限のサポートをしていく構え」(同社社長兼CEOの久夛良木健氏)
さらなる普及に向けて同社が用意した“最大限のサポート”が、きょう体を一新した新型PS2「SCPH-70000」だ。
ミニノートPC並みの新PS2のサイズは230(幅)×28(高さ)×152(奥行き)ミリで重さ約900グラム。従来機に比べて体積比で約1/4(約23%)、重量比で約半分(約45%)のスリム化を実現した。
ほぼA5サイズ(210×148ミリ)のボディは、ちょうど日本ビクターの超小型1スピンドルノートPC「InterLink XP」と同じ大きさ。特に本体の厚みはPS one(193×38×144ミリ)より薄く、たて・横どちら向きに置いてもスタイリッシュな薄型スタイルに仕上がっている。
ただし薄型化とコストダウンから、ディスク挿入部は従来のトレー方式からPS1などと同様の上フタが開く方式に変更。マルチタップ(「SCPH-70120」、3780円)と専用縦置きスタンド(「SCPH-700110」、1575円)は別売りとなる。
また、薄型の本体にはネットワークゲームなどで使うHDDユニットを内蔵できず、外付けもできないためHDD対応ゲームはプレイできない。だが「必ずHDDユニットが必要なゲームはPS2ゲーム全体のほんのわずか」(同社)であるため、実使用上の不都合はそれほど感じないだろう。
IC集積化が進んだことで部品点数も1216個と従来機(部品点数1614)に比べて大幅に削減。本体の小型/軽量/薄型化に貢献している。「これでも部品点数は多いと思っている。さらにICの集積化や部品の統合化を進めていきたい」(久夛良木氏)
「PS1が当初掲げた“すべてのゲームはここに集まる”というキャッチコピーをPS2ではさらに進めて“ゲームがもたらす新しい世界”を創造し、従来子供向けといわれたゲーム機を大人も楽しめるものにした。そしてゲームと音楽の融合からゲームと映画の融合した新しいコンテンツが生まれるなど、当初夢に描いていたものが確実に現実になっている。プレイステーションシリーズは、PS1そしてPS2に留まらず、これからどんどんプラットフォーム/楽しみ方/ジャンルを広げていくと期待している」(久夛良木氏)
一方、PSXやWEGAにも採用されたGUI「XMB」を採用することがアナウンスされたほかは、目新しい発表がなかった次世代型携帯ゲーム機「PSP」。当初、PlayStation Business Briefing 2004ではPSPの価格や発売時期が明らかにされるとの予想があったが、久夛良木氏は「本日は(価格や発売時期を)発表しない」と一言。
開催直前に任天堂から次世代型携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」の価格と発売時期が発表され、1万5000円という当初の予想より低い価格で登場したことがPSP発表に影響したのでは……との声も会場からは聞かれた。
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