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松下「DMR-E500H」のネットワーク機能を試すレビュー(1/3 ページ)

» 2004年09月27日 19時37分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 新規参入メーカーが増え、まさに戦国時代といった趣のDVDレコーダー市場。ここまで市場を引っ張ってきた松下電器産業は今秋、一気に5モデルを投入する。しかも、新しいフラグシップとなった「DMR-E500H」は、大容量HDD、高画質設計にくわえ、ネットワーク機能を一気に充実させた新しいタイプのDVDレコーダーだ。(編集部注:Blu-rayドライブ搭載の「DMR-E700BD」も存在するが、こちらはHDDを搭載せず、Hi-Vison録画に特化した製品のため、今回はDMR-E500Hをハイエンドモデルとして扱いました)。

photo 基本的には春モデルの「DMR-E85H/E95H」を継承したデザインだが、前面の横に走る黒い部分にSD/PCカードスロットや操作ボタンを配置して、さらにスマートな印象になった。同時に発表された「DMR-E220H/E330H」とほぼ共通のデザインだ
photo 右側の操作系は必要最低限のボタンに絞り、カバー内にチャンネル切り換えや録画ボタンを配置。左側にはSD/PCカードスロットのほか、カバー内にAV入力とDV入力端子を配置している(クリックで拡大)

 HDDは400Gバイトを搭載、DVDドライブはDVD-R最大8倍速、DVD-RAM最大5倍速書き込みとなり、それぞれ現時点でDVDレコーダーでは最高スペックとなった。400GバイトHDDは、日立製作所の「MS-DS400」が採用済みだが、こちらは一般にいうEPモード(1〜1.4Mbps)を採用せず、最大約360時間録画。これに対して、DMR-E500HはEP8時間モードを使って最大約706時間と録画時間は大きく上回っている。

photo DVDドライブ部はDVD-RAMのカートリッジ対応。クリアパネルを使った大き目のトレイカバーはインジケータ部のカバーも兼ねており、デザイン的なアクセントにもなっている

 一方、DVD-Rの最大8倍速は既にパイオニアなどが採用しているが、DMR-E500HはDVD-RAMへの最大5倍速書き込みにも対応した。コピーワンス番組を保存できるリライタブルメディアへの書き込み速度としては、今のところ最速だ。

 高画質回路も充実している。先代の「DMR-E85H/95H」で採用された「New DIGAエンジン」にくわえ、ハイエンドモデルの証ともいえる高ビット、高サンプリングな216MHz/12bit D/Aコンバータとゴーストリダクションチューナーを採用した。また、SD/PCカードスロットは下位モデルのDMR-E220/E330Hでも搭載しているが、MPEG-4動画に対応するのはDMR-E500Hだけだ。

 DMR-E500HはLANポートも装備しているが、EPGは地上波配信の「G-Guide」を採用した。少々もったいない気もするが、全てのユーザーがすぐにインターネットに接続するわけではないだろうし、中には単に高性能なDVDレコーダーとして購入する人もいるだろう。このへんは、松下らしいといえばらしい判断だ。

 おもしろいのは、5.1ch対応のアナログ音声出力を持っている点。もちろんドルビーデジタルやDTSに対応しているが、ちょっとメリットが見えない。安価なホームシアターセットはほとんどドルビーデジタル対応のデコーダーアンプ+スピーカーのセットだからアナログ出力は不要だ。確かにパソコン向けの安価なアンプ付きマルチチャンネルスピーカーセットを利用することはできるのだが、リビングルームでそうしたスピーカーを使う人は多いのだろうか。まぁ、あって困る機能ではないのだが。

photo 背面の入出力端子(クリックで拡大)。AV入出力は2系統でコンポーネント出力はD端子。光デジタル音声出力のほか、中央上部に5.1ch出力も装備している。LANポートは「隙間に詰め込みました」という印象だ

 従来モデルに相当する「DMR-E200H」と比較すると、大きく小型化された。DMR-E200Hはなにか嵩上げしたような高さのある妙なデザインでもあったが、今回は厚みが79ミリと下位モデルと共通で、奥行きも302ミリと非常に短い。背面にはファンが大きく突き出ているが、どうせ背面は配線のためのスペースが必要なので、デッドスペースが出来るわけではない。この奥行きの短さは設置の自由度を増すため、大きな魅力だと感じる人もいるだろう。

photo 上から見ると奥行きの短さがよく分かる。ファンの出っ張りを含むと競合製品とさほど変わらないが、ケーブル接続部分が引っ込んでいると思えばいい。実質の設置スペースは小さくすむ

コピーワンス番組も配信可能

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