一方の「DVR-920H-S」「DVR-720H-S」は、高画質録画を目指したハイエンドモデル”だ。新開発の「DianaCircuit」(ディアナサーキット)は、回路内部をすべて10bit精度のフルデジタル信号処理とし、入力から出力の過程に生じるデジアナ/アナデジ変換も極力少なくした。「DVR-710H-Sでは4回の変換を行っていたが、これを2回に減らした。また10bitのビット長拡大により分解能を向上させ、量子化ノイズなどの発生を抑える」(AVビジネスカンパニービデオ事業部ビデオ企画部企画グループの八重口能孝主事)。さらに、新開発の“適応型ビット長拡大リアルマルチビット14bit/108HMz DAC”を搭載した「VQE9」チップにより、出力時のビット長を14bitまで拡大している。
ハイビジョン放送のストリーム録画も可能だ。ただしレコーダー自体にはデジタルチューナーを搭載しておらず、i.Link端子で外部チューナーと連携する方式。EPGによる録画予約や録画番組一覧などはチューナー側で行うため、通常のアナログ放送録画とは完全に切り離された状態になる。
「デジタルチューナーに(レコーダーが)HDDスペースを貸すようなイメージだ。仕組みはアイ・オー・データ機器の“RecPOT”に近い」(同氏)。なお、ムーブには対応していないため、DVDやD-VHSなどのメディアに保存することはできない。録画時間は、400GバイトHDDの920H-Sで最長約31時間、250Gバイトの720H-Sなら約19時間。HDD容量の割り当ては設定画面で行う。
このほか、HDMI端子やGRTの搭載(DVR-920H-Sのみ)、DVDドライブの板金とレコーダーの天板をビス止めするといった耐振動性を考慮した筐体構造など、画質向上を狙ったさまざまなフューチャーを盛り込んでいる。
ラインアップの中で異彩を放っているのが、5.1chサラウンドシステムとDVDレコーダーを合体させた“スマートシアターシリーズ”「HTZ-929DVR」だ。レコーダーとAVアンプを高さ77.5ミリの薄型きょう体に詰め込み、またリアスピーカーにはワイヤレスタイプを採用。FM/AMチューナーも搭載している。
「フロントのトールボーイ型スピーカーと合わせ、設置が容易でスマートな“オールインワンホームシアター”を実現する。ターゲットはファミリー層だ」(AVビジネスカンパニーAV事業部AV企画部ホームシアターシステム企画Gの原田広一主事)。
DVDレコーダー部は、上記のスタンダードモデルと同等。一方のAVアンプ部は、5月に発売した「HTZ-525DV」をベースとしているが、フロントスピーカーをトールボーイ型に変更した。アンプ部の総合出力は650ワット。ドルビーデジタルやDTSにくわえ、ドルビープロロジックIIもサポートしている。
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