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Philips、トリプル対応のBDレコーダー試作機――BDパッケージは2005年後半の見通し

» 2004年10月04日 18時49分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 次世代光ディスク、Blu-ray Disc(BD)の推進を進めるBlu-ray Disc Association(BDA、旧称 Blu-ray Disc Foundation)は都内で記者会見を開催。ボードメンバーにハリウッドの映画会社、20世紀フォックスが参加したことを発表した。

 BDAは、主要参加企業の代表者によって組織されるBoards of Directorsと呼ばれるセクションが最終的な意志決定を行う仕組みとなっており、20世紀フォックスはこのセクションに参加した14社目の企業となる。

photo BDAへの参加を表明した20世紀フォックスのマイケル・オニール氏

 「いま、この場所にいるのはもっとBDのことを知りたいからにほかならない。次世代光ディスク規格に対して、コンテンツ業界からの意見を注ぎたいという気持ちもある」(オニール氏)

 しかし、オニール氏は、Boards of Directorsへの参加がイコール、同社コンテンツのBD化を意味するわけではないとも述べる。「この業界については期待を持って見つめている。が、現在合意していることは、関連企業と話し合い、著作権保護に携わっていきたいということだけ」と述べるにとどまった。

 ソニー常務の西谷清氏は、「われわれにとっては、直接コンテンツホルダーから話を聞くことができ、商品としての完成度が上げることができるのが第一。20世紀フォックスがハリウッドのほかの映画会社から意見を吸い上げてくれるだろうし、他のスタジオにも、よりBDを理解してもらえるだろう」と20世紀フォックスの参加を歓迎する。

photo 20世紀フォックスの参加を歓迎する西谷氏

 会場では「コンテンツホルダーをメンバーに加え、HD DVD陣営に対してどれだけの差をつけたと思うか?」という質問も飛び出したが、西谷氏は「特に比較をする話ではない」とコメント。

 「BDというフォーマット自体が新しい技術を投入したもので、あらゆる用途に最適であると考えている。20世紀フォックスの参加によって、DVDにはないものを取り入れられるようになるはず。パッケージメディアが伸びることが更なる成長につながるはずであり、(20世紀フォックスの)参加は非常に有意義なことだ」(西谷氏)

 また、会場にはフィリップスがBDレコーダーの試作機を展示していた。このレコーダーは「データ採取用の段階」(同社)だそうだが、ハーフハイトのドライブが搭載されるなど、試作機とは思えない仕上がりのよさが印象的だった。

photo フィリップスが試作したBDレコーダー
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 CD/DVD/BDトリプル対応の自社製ピックアップが搭載されており、50Gバイトの容量を持つBD-RE double layerにも対応する。製品化時期や詳細な仕様は未定だが、「2005年後半ぐらいにはBDのパッケージメディアが発売されると見込んでいるので、それまでには製品化したい」(同社)。

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