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PCとの親和性と拡張性に優れたカシオ「エクスワード データプラス XD-DP1000」レビュー(3/3 ページ)

» 2004年10月18日 14時53分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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photo 「エクスワード ライブラリー」では、左側にPC側(CD-ROMドライブ)に入っている辞書が表示され、右側には本体/SDメモリーカードのメモリ使用状況が表示される。移動したい辞書を選択したのち、本製品への移動(内蔵メモリもしくはSDメモリーカード)、またはPCへの戻しを選択すればよい。

 移動した辞書はキーボード右上の「ライブラリー」ボタンから呼び出すことができ、ジャンプやヒストリーサーチといった機能も内蔵辞書と同様に活用できる。しかし、「模範六法」など一部の追加辞書ではジャンプなどの機能に制限がある。これは少々残念だ。

 別売辞書の容量はさまざまだが、本体メモリは20Mバイトとなっているため、イミダス 2004(約9.5Mバイト)や模範六法(約16.1Mバイト)、クラウン仏和辞典(約13Mバイト)などあまりたくさんの辞書を入れておくことはできない。多くの辞書を一度に持ち運びたいならば、SDメモリーカードの利用は欠かせないだろう。

photo 多くの辞書を追加したい場合にSDメモリーカードは必要不可欠

 そのほか、同社Webサイトで提供されている「エクスワード テキストローダー」を利用すれば、最大5MバイトまでのテキストファイルをPCから本製品にインポートし、閲覧することが可能になる。

photo ITmediaのメルマガ[Mobile Express 04/10/15:今度のザウルスは4GバイトHDD内蔵〜「SL-C3000」]の一部を表示。フォントサイズの変更は不可能。

 表示している中に分からない言葉があれば、その意味をジャンプ機能で調べることもできるほか、「青空文庫」などで公開されている作品を楽しむこともできる。なお、日本語ファイル名は使用できないので、転送の際には半角英文字8文字までにリネームする必要がある。

photo PCからインポートしたテキスト内容に対してジャンプ機能による検索をかけることも可能。

辞書追加は大きな利点、ただし内蔵機能との連携はもうひとひねり欲しい

 電子辞書としては老舗ともいえるブランド「エクスワード」の最新機種だけに、検索機能を始めとした使い勝手については非常に練り込まれている感を受ける。入力に対する反応も機敏で、ストレスのない使用感覚を味わえる。

 追加辞書は「模範六法」や「理化学英和辞典」「宅建公式集」といった専門性の高いものが用意されており、来年2月までには22タイトルに拡大される予定となっている。

 ただ、本製品においては辞書の追加が単純な追加に終わってしまってしまうこともあり、本体機能との連携が今ひとつ詰め切れていない気がする。一部の追加辞書は、ジャンプ先の辞書に追加することもできないし、複数辞書検索機能の対象辞書に含めることもできない。こうした辞書も内蔵メモリにインポートした分だけでも、内蔵辞書と同等に扱えればさらに使い勝手が良かったのではないかと考えてしまう(*)。

 新搭載のテキストローダーだが、簡易的なテキストビューワーとしてはそれなりに有用と思うが、「フォントサイズが変更できない」という点が気になる。

 筆者としては製品を試用する前に「辞書追加可能」「テキストビューワー搭載」という特徴を聞いていたので、“判例をテキストに入れて、追加した六法を参照しながら読めるといいなあ”と考えていたのだが、どうやらそれはかなわぬようだ。次モデルではそのあたりの改善を期待したい。

*追記 追加した辞書との連携については、追加した辞書の種類に依存する。現在ラインナップされている追加辞書の中では「模範六法」や「宅建公式集」などがジャンプ・複数辞書検索機能に対応していないが、「イミダス 2004+α」や「理化学英和辞典」などは対応している。同社によると、今後発売が予定されている語学系辞書などは対応する予定だという

photo 「イミダス 2004+α」や「理化学英和辞典」などを追加したXD-DP1000の複数辞書検索機能で「MRSA」を検索。
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