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ドリームワークスが認めた画質です〜HPWPC EXPO 2004

» 2004年10月20日 16時07分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 関東地方に台風23号が徐々に近づくなか、有明の東京ビッグサイトで「WPC EXPO 2004」が開幕した。20日14時現在は弱い雨が降っているだけだが、台風に備えて予定よりも1時間早い17時に展示会場が閉まることが既に決定している。先日開催された「CEATEC JAPAN 2004」に続き、天候には恵まれない展示会になりそうだ。

photo 雨といえば、りんかい線「国際展示場」駅から延びる屋根付きの通路が延長工事の真っ最中だ。完成すれば、多少迂回することになるものの、傘なしで展示場の入り口まで行ける

 展示会場は、ビッグサイトの東1-5ホールまでを使用した約42710平方メートル。1995年の「Windows 95」発売と同時に始まった「WPC EXPO」(旧称:World PC Expo)には、コンピュータ専門の展示会というイメージがあるが、今年は少し印象が違う。「デジタルボーダレス宣言」というテーマとともに、「AV機器/モバイル/デジカメゾーン」や「イノベーション体感ゾーン」を新設。ホームネットワークやそれに繋がるAV機器までを取り込み、デジタル総合展示会へと進化しようとしている。「CEATC JAPAN」が家電の立場から見たデジタル総合展示会なら、こちらはPCの側から家電をうかがうアプローチといえそうだ。

ドリームワークスも認めた画質

 “ボーダレス”を象徴するような展示が日本ヒューレット・パッカードブースにあった。先日発表したホームシアター向けDLPプロジェクターだ。

photo DVDプレーヤーとAVアンプ、2.1chスピーカーを一体化したDLPプロジェクター「ep9012」。DVDドライブは側面にあった。ちなみに台座のように見える部分にはサブウーファーが仕込まれている

 米国では8月に発売し、最近出荷を開始したという3モデル。中でもユニークなのは、DVDプレーヤーやアンプ、そして2.1chスピーカーまでを一体化した「ep9012」だ。同社ブースでは、ep9012を使ってデモンストレーションを行っている。

photo 操作部は上面。上映中にも操作できるよう、青く光る
photo 背面のインタフェース類。DVI-Iは「ep7122」と「ep9012」の2モデルが搭載する

 日本ヒューレット・パッカードでプロジェクタ市場開発を担当する清水俊博担当部長は、「HPのプロジェクターは、DLPが持つ優れたコントラスト&シャープな画質といった特性にくわえ、カールツァイスレンズの採用などによる高い画質が最大の特徴。それは、ドリームワークスも認めている」と話している。実際、8月下旬に行われたヴェネチア国際映画祭では、ドリームワークスの「シャーク・テイル」プレミア試写会で上位モデルの「ep7122」を使用し、好評だったという。

 「日本のホームシアター市場は、丁度これから伸びる段階にある。いわゆるAVマニアではない人たちも家庭でカジュアルに大画面を楽しむ時代だ」(清水氏)。ワールドワイドで展開する規模のメリットを活かし、DLPの品質と低価格を武器に日本のAV市場に攻勢をかける同社。売り上げ目標などは掲げていないが、「今年の年末商戦では、DLPベンダーのトップ3に入りたい」と話していた。

シャープがネットワークプレーヤーを参考出展

 大手AV機器メーカーのブースは、CEATEC JAPANと同様の展示を行っているケースが多い。しかし、そのなかにも新しいものがいくつかあった。たとえば、シャープが参考出展したネットワークメディアプレーヤーだ。会場では、9月に発表したDVDレコーダーライクな“AVセンターパソコン”、「PC-TX26GS」と組み合わせ、録画したテレビ番組のネットワーク配信をデモンストレーションしている。

photo ADSLモデムかブロードバンドルータのようなデザイン

 対応するフォーマットは、MPEG-2動画、JPEG画像、WAV音声(楽曲)。MPEG-4系の動画やMP3への対応も検討している。

 「対応フォーマットからも分かるように、このメディアプレーヤーはDLNAガイドライン1.0に沿って開発したもの。このようなネットワークメディアプレーヤーがあれば、イーサネットポートなどを持たない既存のテレビでもホームネットワークを活用できる」(同社)。

photo インタフェースは、D端子、S/コンポジット、光デジタル音声など

 なお、発売時期や価格などは未定という。

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