ITmedia NEWS >

RDシリーズの“今”を全て詰め込んだハイエンド「RD-X5」レビュー(2/4 ページ)

» 2004年12月03日 16時58分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 RD-XS43/53で初めて採用されたのが2番組同時録画機能の「W録」。「RD-X5」でも特徴の1つとなっている。機能的には「スカパー!連動録画」機能を持つRD-XS53とほぼ同等で、地上波+地上波、地上波+スカパー!、地上波+アナログBS、スカパー!+アナロフBSといった組み合わせのダブル録画が、「RD-X5」のEPGから予約するだけで行える。さらに同社の対応デジタルテレビと組み合わせると、BSデジタル放送も「RD-X5」のEPGから録画予約するだけでいい。この点は「RD-XS53」のレビュー(前編)も参考にして頂きたい。

 2番組同時録画機能は後発のパナソニック「DMR-E220H/E330H」のような自動振り分けタイプではなく、録画予約時に「R1/R2」と呼ぶ2つの録画機能を指定する。もっとも、録画予約の段階で録画時間帯に重複が生じると、その場でR1/R2を切り換えて録画予約を完了するため、そう不便ということはないだろう。内蔵BSチューナーとDV入力がR1のみ、D1入力がR2のみという制限も変わっていないが、内部での信号切り換えをできるだけ減らすといった意図もあるのではないだろうか。

photo 2つの録画機能は星マークのR1、月マークのR2に区別され、録画予約情報の一部となる
photo EPG上でも録画予約済みの番組は確認可能で、予約の重複も確認しやすい

 「W録」では、HDDのフラグメントを防ぐため、R2での録画は事前にHDD上に連続領域を確保してこの部分に録画を行う。このため、連続録画時間に制限が生じる。RD-XS43/53ではこの連続領域がDVDメディア4枚分であったが、「RD-X5」では5枚分となり、SPモードなら約10時間の録画が可能になった。1番組あたりの連続録画時間の上限である9時間を、SPモードでもカバーできる形になったわけだ。なおこのR2の連続領域は、3分間R1/R2両方で録画がなければ再度確保されるので、一般的な使い方ではさほど気にする必要はない。

自社製から松下寿電子工業製に変更されたDVDドライブ

 「RD-X5」で結構重要な変更点と受け止めている人も多いのがDVDドライブの変更だ。DVD-Rの書き込み速度が最大4倍速のRDシリーズでは自社製のドライブが採用されていたが、書き込み品質に関しては正直あまり良い評判を聞かなかった。「RD-X5」では、どうやら松下寿電子工業製に変更されたようで、東芝も発表会などで「信頼性で定評のあるドライブを採用した」とうたっている。

photo DVDドライブは当然カートリッジタイプのDVD-RAMにも対応。見た目ではどのメーカーのドライブなのかわからないが……

 では、実際のところ、書き込み品質はどうなのだろうか。一般に信頼性が高いといわれる国内メーカーのメディアとして「That's」「マクセル」ブランド、激安メディアとして「Smartbuy」「AllWays」ブランドの8倍速書き込み対応のDVD-Rメディア4種類で実際にダビングを行い、書き込み品質の検証を行ってみた。なお「Allways」ブランドでは複数の製造元のメディアが販売されているが、今回使用したのは台湾Ritek製(パッケージに「Made by Ritek」と表記)の物だ。

 まずダビング時間だが、メディア間でのバラツキはなく、4メディアとも問題なく8倍速で書き込まれたようだ。同じく8倍速ドライブを採用するパイオニア製品と比較すると遅めだが、DVDドライブが松下寿電子工業製だとすれば妥当な所要時間だ。

photo DVDメディアほぼ一般にダビングを行った場合の所要時間。DVD-Rはほとんどメディアによるバラツキがない。参考までにDVD-RAMの所要時間も掲載しているが、メディア全域で5倍速書き込みのようで、さらにファイナライズが不要なことから最大8倍速のDVD-Rに見劣りしない数字になっている

 おなじみ「CDSpeed」によるクオリティテストでは、「SmartBuy」ブランド以外はまず問題ない書き込み品質という結果が出た。PIEが規格上の1つの目安である最大180を超えていないし、PIFの発生率も非常に低い。あくまで簡易測定環境なので、専用の測定器を利用する場合よりもエラーは多めに発生するはずなのだ。中でも「That's」ブランドは優秀で、内周部で少々PIEが多めに見えるがこれは完全に許容範囲だろう。

 気になるのは「SmartBuy」ブランドだが、「RD-X5」自身で問題なく再生できるのはもちろん、筆者の手持ちのPlaystation 2(SCPH-30000)でも問題なく再生できた。長期保存となるとこのメディアを利用するのは少々不安ではあるが、ほかの3メディアを見る限り、書き込み品質は悪くないといえる。また連続してDVDメディアへのダビングを行ってもダビング後のメディアが極端に熱くなることもなく(ある程度熱を持つのは当然)、ほぼ不安なしと見て良さそうだ。

photo 「That's」
photo 「マクセル」
photo 「SmartBuy」
photo 「AllWays」(Made by Ritek)「SmartBuy」以外はまず問題ない書き込み品質だ

やはり効果の大きなゴーストリダクション

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.