リビングシアターとは専用室にホームシアターを構築するのではなく、リビングルームでテレビを楽しむような気軽さでシアターライクな雰囲気を楽しめるホームシアターだ。
特に首都圏の住環境を考えると、専用室を持てるユーザーは非常に限られている。一方、パーソナルな趣味のオーディオとは異なり、ビジュアルも一緒になったホームシアターは、家族全員で楽しむことが可能だ。リビングシアターを作ってみたら、仕事で忙しいお父さんよりも、子供の方がたくさん使っていたなんてことも少なくない。
「以前のAV機器は複雑で調整も大変でした。しかし今は使い勝手が良くなり、低価格で画質も底上げされました。家電的にテレビのように家族で楽しめる。お客様の中には、自分の部屋に閉じ籠もりがちな子供とのコミュニケーション手段としてホームシアターを利用しているところもあります」(加藤氏)
リビングシアターを構築するユーザー層を聞いてみた。
「現在、シアター構築/インストールの案件で(アバック全体の)3割がリビングシアターです。以前はほとんどが専用室でしたから、大幅な増加ですね。住宅メーカーやマンションデベロッパーからの相談も増えています。年齢層でいえば30〜40代、リフォームよりも新しく自宅を購入する世代の方が多くなっています。GRANDアバックは店内に提案型の部屋を複数用意し、実際に施工提案を行うインストーラーも店内に常駐しています。店内の部屋も実際の平均的な住宅を想定して作りました」(加藤氏)
リビングをシアター兼用にするとなれば、家族全員のコンセンサスを取ることも不可欠だ。特に既婚者にとっては、財布の紐を握る女性陣の理解は欠かせない。
「薄型テレビがリーズナブルになってから、奥様を伴った来店者が多くなりました。海外製のデザインセンスと音質の両面に優れた製品が低価格化したことも見逃せない点ですね」(加藤氏)
インストーラーの石橋氏は、リビングシアター提案の極意をこう語る。
「奥様方にホームシアター導入の魅力を理解して頂くことも大切ですが、もうひとつ大変重要なポイントがあります。それは機材を“隠す”ということです。天井にプロジェクターが露出していたり、スピーカーがぶら下がる事をほとんどの女性がいやがります。天井にプロジェクターを収納する昇降型の機材や高音質の埋め込み型スピーカーを用い、ケーブル配線に工夫することが、女性に理解して頂くための第一歩となります。女性は価格にも敏感ですが、価格よりも機材が見えなくなる事に重きを置く方が多いと思います」(石橋氏)
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