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コニカミノルタ気合いの逸品「α-7 DIGITAL」を使ってみた(1/4 ページ)

» 2004年12月21日 06時00分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 コニカミノルタフォトイメージングとしては初のデジタル一眼レフ機が「α-7 Digital」である。同社の前身となるミノルタは、90年代の後半に「RD-175」と「Dimage RD3000」というレンズ交換のできるデジタル一眼レフ機を発売しているが、最近のデジタル一眼レフ機ブームには乗り遅れてしまっていた。もうひとつの前身であるコニカについては、フィルムの一眼レフ機での実績はあるが、デジタル一眼レフ機は出していない。その両社が合併して、気合を入れて作ったのがα-7 Digitalだ。

画像 APS-Cフィルムサイズの撮像素子を持つ最近のデジタル一眼レフ機の中では、比較的大きくて重いボディ。ビギナーよりも、中上級のユーザーがメインターゲットだ

 α-7 Digitalのベースになっているのは、ミノルタが2000年秋に発売した中級クラスの一眼レフ機「α-7」である。一つのダイヤルやレバーに一つの機能を割り当てたアナログ感覚の操作系や、各種の設定を一覧できる大きな液晶パネル表示などの利点を受け継いでいる。

 レンズマウントには、コニカミノルタAマウント(αマウント)を採用し、これまでに発売されたαシリーズの全レンズを使用できる。さすがに、MF時代のミノルタSRマウントやコニカARマウントのレンズには対応しないが、αレンズだけでも1985年から現在まで、すでに100種類が発売されている。これほど過去の資産がデジカメ用レンズとして蘇る、しかも手ブレ補正という付加価値まで付く。こう聞いただけで期待しないわけにはいかないだろう。

画像 外装は、前面と天面、底面にマグネシウム合金を、背面に主にエンジニアリングプラスチックを採用した重厚な作りで、ホールド感はしっかりとしている。また、オプションの縦位置グリップも装着できる

1アクション1機能のユーザーインタフェース

 ボディを初めて見ると、ぎっしりと盛られた操作部材の数の多さに一瞬戸惑いを覚える。フィルムの一眼レフ機α-7は別として、フィルムとデジタルを問わず、これほどすっきりしていないボディは今どきでは珍しい。ただ、この一見複雑に見える操作部はビギナーには取っ付きにくさもあるが、1アクション1機能を徹底したもので、慣れるほどに使い勝手のよさを実感できるはずだ。

画像 ボディ背面には、ボタンやレバーが盛りだくさんである。その多くは「α-7」から受け継がれたものだ

 具体的には、まず露出補正は、上部の左にある専用ダイヤルによって1/2ステップまたは1/3ステップで切り替えができる。カスタム設定をすれば、グリップの前後にある2つのダイヤルのどちらかに露出補正を割り当てることも可能だ。

 露出補正ダイヤルの下にあるレバーではストロボ光量の補正ができ、露出モードダイヤルの下のレバーでは連写、オートブラケット、セルフタイマーの選択ができる。

 また、その横にはホワイトバランスのレバー、背面には測光モードのレバーやAFモードの切り替えレバーなどを装備する、といった具合だ。

 つまり、機能ごとに専用のダイヤルやレバーがあり、それぞれの位置さえ覚えておけば、各設定を直感的に切り替えられる。と同時に、たとえ電源を入れていなくても、各設定の状態を瞬時に把握できる。一つの操作部に複数の機能を割り当てた、他のデジタル一眼レフ機ではこうはいかない。

画像 ボディ上部のペンタプリズムの左には露出補正ダイヤル、右には露出モードダイヤルをそれぞれ装備する
画像 グリップの前と後ろにはコマンドダイヤルがあり、絞りやシャッター速度の調整、プログラムシフト、露出補正、再生時のコマ送りなどができる

 これらの分散した機能を一覧するためのナビゲーションディスプレイ機能もポイントのひとつだ。他のデジタル一眼レフ機のようなモノクロの液晶パネルはなく、その代わりに背面の2.5インチ液晶に各種機能の設定状況が表示され、カメラの状態が一目で分かるようになっている。

 逆にいうと、撮影可能枚数、ISO感度、カラーモード、画質モードなど詳細設定は、ナビゲーションディスプレイを表示しないと分からないので、使用中は表示を常にオンにしておくのが現実的だ。ファインダーの下にはアイセンサーがあり、ファインダーを覗くと、表示が自動的に消灯するようになっている。

画像 各種の撮影情報が大きな文字やアイコンで表示されるナビゲーションディスプレイ。カメラを縦位置に構えると表示も自動的に縦に回転する。またボタン操作で、文字サイズが大きな簡易表示に切り替えたり、表示オフにもできる

見やすいファインダーと大きな液晶モニタ

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