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「PSP」は“iPodキラー”〜北米向けローンチイベント2005 International CES

» 2005年01月07日 02時29分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 ソニー・コンピュータエンタテインメント・アメリカ(SCEA)は1月5日、「International CES 2005」会場近くのホテルで、ゲームベンダーや流通などの関係者および北米の報道陣を集め、PSPの北米向けローンチイベントを開催した。

photo SCEA社長兼CEOの平井一夫氏

 登場したSCEA社長兼CEOの平井一夫氏からは、3月と言われる北米でのPSPの発売日および価格が発表されると期待されたが、関係者によると「最終調整を行っているところ」とのことで、残念ながら発表には至らなかった。

 平井氏は昨年12月の日本市場における成功を強調。初期出荷20万台に加え、年末までに51万台を出荷したことを報告した。さらに、日本ではおなじみとなったPSPの機能紹介を行い、ハンズオンでさまざまなゲームや音楽、映画など幅広いエンターテイメント機能をアピールした。

 平井氏の口からは「PSPは“ニンテンドーDSキラー”ではない。われわれの製品は“iPodキラー”だ」との言葉も聞かれた。音楽アーティストを招いてのデモでは、PSP内のメモリースティックに対して、ソニーの音楽配信サービス「Connect」からダウンロードした楽曲を転送。会場内で演奏させてみせた。

photo ソニーの音楽配信サービス「Connect」からダウンロードした楽曲を演奏

 会場内の至る所に置かれたデモ機では、日本では未発売の「NBA 2005」「Wipeout Pure」「Spiderman 2」など多数のソフトが実際に動作している。音楽/映画コンテンツにも進展があり、従来のソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)が提供するトレーラーパックに新しいコンテンツがくわわった上、20世紀フォックスとドリームワークスがそれぞれのトレーラー映像をデモンストレーションしていた。

photo 「NBA 2005」をプレイ中

 発表会場には各映画スタジオ関係者も顔を見せており、SPEも本部のトップクラスが集まっていた。新規メディアや事業の推進を担当しているSPEアドバンストテクノロジ担当副社長のドン・エクランド氏は、「UMDビデオ向けの具体的なビジネスについては私の口から話せないが、UMDビデオコンテンツは“もうすぐ”発売される」と話した。具体的な時期については明言しなかったが、3月の北米におけるPSP発売に間に合わせると考えられる。

photo サードパーティと対応ソフト、およびUMDコンテンツパートナーの一覧(クリックで拡大)

 またエクランド氏は、「DVDビジネスは堅調だが、一方で違法コピーや海賊版の問題もある。新しいCODECとの組み合わせで容量面もカバーでき、セキュリティの高さも心配はしていない」とも話している。映画スタジオとしては、DVD並みのコストで追加出費もほとんどなく取り組めるUMDビデオのビジネスは、主流とはならなくても“プラスα”の収入源として魅力に感じている面もあるのだろう。

 なお、標準規格として提案されていると言われていたUMDビデオの規格だが、欧州のECMA(ヨーロッパ電子計算機工業会)において規格化が順調に進んでいるようだ。ただし論理フォーマットは仕様に含まれず、UMDの物理フォーマットとメカニカル設計(サイズや厚み、切り欠きの位置など)が標準規格として提出されている。SCEはECMAでの正式な規格承認を元に、既に設計が終了している論理フォーマットを組み合わせたUMDビデオを提案するものと考えられる。

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