しかし米国は米国内に多くのハイエンドオーディオメーカーがあり、大きなシェアを獲得している。米国は富裕層が自宅の新築やリモデルを行う際、インストーラに使用する機材も含めて“おまかせ”で依頼することが多く、全米に散らばるインストーラへの認知が拡がらなければシェアを広げることができない。
レバション氏が僅かな売り上げしかないという米国にゴールドムンドハウスを作ったのは、そうした特殊性の高い米国市場に対して、具体的なソリューションを示すことでゴールドムンド製品の特徴を伝えたいからだという。
また、実際にアメリカの上流家庭がどのような生活を送っているかを体現しながら、コンピュータや色々な新技術を投入し、音質だけではなく利便性も含めて研究することも目的だという。「つまり、この家は研究施設のようなもの」とレバション氏は話す。
中でも興味深いのは、イーサネット/無線LANを用いた音楽配信に関して、ハイエンドピュアオーディオのメーカーとしていち早く取り組んでいる事だ。
たくさんの部屋がある住環境を想定し、一カ所にストレージした音楽コンテンツを全部屋にあるオーディオ機器から再生を可能にする機能は以前から存在したが、これまではアナログで配信するものばかりで音質の低下は避けられなかった。
しかしゴールドムンドのCHIASMAシリーズは、通常のコンピュータネットワークと同様のインフラを用いてデジタルデータで音楽配信を行う。
出来ることはDLNA準拠のネットワークオーディオと変わらないが、その音質は確かにゴールドムンドレベル。WAV、MP3、それにゴールムンド独自形式の圧縮音声を選べるが、WAVと独自フォーマットの音声はかなり質が高い。DLNAに音質を重視したクライアント機器がない事もその一因だが、CHIASMAクライアントのジッター除去能力が相当に高いためだろう。WAV再生においては、ネットワーク再生であること全く意識せずに高音質を楽しめる。
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