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iPod shuffleはフラッシュメモリタイプの旗印になるのかシリコンオーディオ販売ランキング(1月3日〜9日)

» 2005年01月18日 22時12分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
順位 前回 メーカー名 型番 発売年月日 標準価格
1  2 RIO JAPAN RIO SU10 128 2004/7/24 オープン
2  1 APPLE IPOD MINI 2004/7/24 26800
3  5 IRIVER IFP-890 2004/5/1 オープン
4  4 RIO JAPAN RIO SU10 256MB 2004/10/1 オープン
5  3 IRIVER IFP-180T 2002/11/1 オープン
6  6 ソニー NW-HD3 2004/12/10 オープン
7  - オーム電機 MP3256SP1 2005/1/1 オープン
8  10 東芝 MEGF20 2004/11/1 オープン
9  12 シーグランド XS700-256MB 2004/12/1 オープン
10  9 東芝 MEGF10 2004/11/1 オープン

この記事では、マーケティング会社GfK Japan調べによる全国3500店舗の量販店(家電量販店、カメラ販売店、PC専門店)のPOSデータを集計し、モデル別のランキングで紹介しています

 iPodがついに首位陥落、Rio Su10 128がトップに立った。そのほかにも、オーム電機の「MP3256SP1」やシーグランドの「XS700-256MB」といった製品が初登場、もしくはランクアップを果たしている。いずれも低価格なフラッシュメモリタイプのプレーヤーであり、調査時期がちょうど1月3日から9日と新年セール時期にあたることから、「ちょっと買ってみようかな」というライトな層を取り込んでの躍進ではないかと考えられる。

 「容量あたりの単価が高い」ということで、ランキングの上位に顔を出すもののなかなか首位に立てなかったフラッシュメモリタイプだが、Rio Su10がトップに立つと同時に、“あの”製品のフラッシュメモリ版も発表された。そう、フラッシュメモリ版iPodこと、「iPod shuffle」だ。

 製品の詳細についてはレビューを参考にしてもらいたいが、これまでフラッシュメモリタイプの弱点とされてきた、「容量あたりの単価の高さ」や「大型液晶を搭載しないことによるナビゲーションのわかりにくさ」などの点を、「シャッフル(ランダム再生)」という考えを前面に押し出すことによって解消した製品だ。

 ランダム再生をメインに据えたからこそ、「容量が少なくて、アルバムが全部入らない」という声には「再生順がバラバラなのだから、“全部入れる”という発想自体に意味がないでしょう?」、「液晶がない」という声には「次に何がかかるのが分からないのが魅力でしょう?」と答えることができる。まったく、たいしたものだ。

 製品はiBookを連想させる白を基調としたつややかなプラスチックで、操作インタフェースはiPodを連想させる。誰が見ても、Appleの製品と一目で分かるデザインだ。それに、こちらにもあるように、MacintoshやiTunesを持たないメーカーが同じ製品を企画しても、日の目を見ることはなかった製品だと言える。技術的な問題や、生産能力の問題ではなく、「アップル」だからこそ作り得た製品だ。

 MacWorld Expoで行われたスティーブ・ジョブズ氏の基調講演では、同氏が製品を発表した瞬間に、詰めかけた人からどよめきとも感嘆ともつかぬ声があがった。製品に関連したレビューやニュースは多くのアクセス数を記録した。(レビュー)(参考記事1)(参考記事2)

 そのiPod shuffleが先週末から発売開始された。売れ行きは好調なようで、大手量販店やアップルストアでも入荷分は既に売り切れ。次回の入荷を待つ状態になっているようだ(各種のオンラインストアでもほぼ完売状態)。

 異論はあるかもしれないが、これまでデジタルオーディオプレーヤーといえばiPodが代表格であり、広く受け入れられてきたのは、容量あたりの単価が安いHDD搭載タイプであった。フラッシュメモリタイプはいっときの人気を失っていた。

 iPod shuffleは「シャッフル」という考えを前面に押し出し、「容量が少なくてもいい」「液晶が無くてもいい」というスタイルを提案する。HDDタイプに押され気味であったフラッシュメモリタイププレーヤーの新境地をひらく可能性を持っている、というのは言い過ぎだろうか。

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